日刊ニュース

2012.05.09 のニュース

ガソリン下落で増販期待も ―下げ過ぎで利益吐き出しの懸念もー

 みずほ総合研究所の週動向調査(1日)によると、ガソリンの販売価格は平均で154円/Lとなり前週に比べ2円の値下がりとなった。4週連続の値下がりとなり、4月2日の158円に比べると4円の値下がりとなった。参考値でみると158円30銭から153円90銭となり4円40銭の値下がりとなる。
 経済産業局別でみると北海道が160円から152円と8円の大幅な値下がりとなった。東北、関東が158円から153円と5円の値下がり、中部も159円から154円で5円の値下がり、近畿は158円から155円で3円、九州は161円から158円と3円の各値下がりとなった。北海道、東北、関東の東で値下がり幅が大きいが、西は小幅な値下がりとなっている。
 仕切価格は、4月初めから値下がりがしており累計が約6円であったため、北海道の8円下げを除けば、他の地区は仕切価格の値下がり分の範囲内に止まっている。しかし、今後も値下がりが予想され、どのような形で落ち着くか見通しは難しい。
 この週動向調査の数字は、現金価格であり、市況実態と比べ高い水準となっているが、あくまでも統計上の平観但である。そのため首都圏の街道沿いでは、この間に10円以上の大幅な値下がりとなっている地区も多い。とくに価格競争が激しい地区のHC、量販店の値下がりが大きく、街道沿いではボトム価格が150円を割って140円台の安値どなっている。このままの状況では、今後も値下がりが見込まれる。
 ここ数年のガソリン販売をみると、22年度は5820万KLで前年比1.3%増となったが、これは夏場の猛暑によるもの。23年度は5721万KLで1.6%減となっている。うち上期は2854万KLで4.4%減となり東日本大震災の影響が出た。下期は2852万KLで0.7%の微増(21万KL増)となっている。2月が閏年で1日多いことと、昨年3月が震災の影響で4.4%の大幅減となったため、その反動で今年3月が3.2%増となった。下期は需要が回復してきたことになるが、基調としては販売増は期待できない。全石油によるガソリン販売の長期見通しでは年率4.1%の減少を見込んでいる。これにより、値下げでの増販に限界があり、採算販売に徹底して適正マージンの確保を優先すべきであると要請している。
 エコカー減税により新車の販売が増加しているが、ハイブリッドなどの省燃費車、燃費の良い小型車が多く、ユーザーの節約本同からガソリンの販売は伸びてはいない。ガソリン価格は値下がりしてきたが、3月は158円と160円台に接近した高値となったことから4月前半の販売が伸び悩んでいる。ガソリンは150円台に乗ると高値感から販売にブレーキがかかるが、ここにきて150円を割れの140円台が増加している。ガソリンの下落は販売面からみると増販の好材料となる。だが、値下がり局面となると、安値競争から下げ過ぎとなるため利益を吐き出すことになる。
 ガソリンが値下がりしたことで、販売減には歯止めがかかったようである。これからは景気回復による個人消費の伸び、好天気と気温の上昇によるカークーラーの利用の増加に期待することになる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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