2012.10.15 のニュース
業界の怒りを示すために
地球温暖化対策を理由にした「脱石油」「税のグリーン化」という石油に対するこれまでの国の扱いに、業界内に「なぜここまで石油を悪者扱いにするのか」と不満が充満している。全石連・油政連は「もう黙ってはいられない」として、全組合員をあげて「石油増税反対・総決起大会」を11月14日に開く。
もちろんこれまでも、全石連・油政連は毎年の税制改正要望などの際に「消費者の負担軽減を」「これ以上、石油をいじめるな」として石油諸税の軽減を訴えてきた。しかし、今回は、8月の消費税法改正に伴い石油関連諸税へのさらなる負担増の懸念が出てきたことから、この動きを阻止するためにいち早く立ち上がることにした。
石油関連の税制課題は、10月からスタートした地球温暖化対策税があるが、3段階に分けた小幅増税に業界は四苦八苦している。一方で、三党合意で国会で修正可決された改正消費税法には、「酒税、たばこ税及び石油関係諸税については、個別間接税を含む価格に消費税が課されることが国際的に共通する原則」として、ガソリン税への消費税上乗せ課税、いわゆるタックス・オン・タックスの廃止は門前払い同様の扱いを受けている。
さらに自動車業界が求めている自動車重量税、自動車取得税など車体課税の減税については、その減税分の代替財源として石油諸税をさらに増税する構想が取り沙汰されている。現に財務省は昨年末「仮に、(車体課税の)減税を行う場合は代替財源を確保すべき」で「国際的に低い水準になっているエネルギー課税の強化などにより安定的な財源を確保することが大前提」と主張している。
地球温暖化対策税や消費税など増税ラッシュの中で、「まさか、さらに石油に増税するのか」と業界内には驚きと不満が広がっているが、その具体像がはっきり見えないために、国民や自動車ユーザーになかなか伝わっていないのが実情である。石油製品にはすでに4兆4千億円もの税負担があるが、その多くは消費者に重くのしかかる。その負担が増せば石油需要は減少し、SSの経営にも影響が及び倒産・撤退が加速することにもつながる。
総決起大会を通じて、石油増税阻止に向けた世論を形成するとともに、石油業界はこんな増税を「断固許さない」という強い姿勢を示していくことが目標である。