2013.02.08 のニュース
4月~12月の各社決算は減益も ―1月~3月は円安で業績改善―
元売各社の2012年度4月~12月の決算が出揃った。連結経常利益ベースでみるとコスモ石油が41億円、出光興産が505億円、JXホールディングスの石油精製販売は610億円、石油開発事業が746億円となっている。金属を含めた全体では1878億円となっている。各社とも前年に比べると原油価格の値下がりによる在庫評価の影響もあり減益となっている。だが、1月~3月では円安による在庫評価益を見込み上方修正の見通しとなっている。
コスモ石油は、千葉製油所の操業停止が影響して経常利益は41億円、在庫影響除きでは166億円にとどまった。セグメント別では石油事業が千葉製油所の操業停止の影響による仕入コストの増加、輸送費の増加などで377億円の損失(前年は61億円の損失)となった。在庫影響を除くと252億円の損失。千葉製油所は1月末に第2トッパー(12万バーレル/日)が稼働、4月には第1トッパー(10万バーレル/日)が稼働する一方で、7月に坂出製油所が閉鎖する。石油化学事業は2億円、石油開発事業は423億円の黒字となり、石油事業の赤字を相殺して41億円の黒字となったが、繰延税金資産などで純損失は815億円を計上している。通期見通しは前回予想を変更せず、経常利益250億円となる。
出光興産は、営業利益が550億円で前年比では400億円の減益となっている。セグメント別でみると、石油製品は315億円で261億円の減益。在庫影響除きで331億円。石油化学製品は61億円で51億円の減益、資源は210億円で90億円の減益となっている。うち石油開発が218億円の利益、石炭他が8億円の損失となっている。また、通期では上方修正を行ない、経常利益は735億円を見込んでいたが875億円と140億円の増益となる。前提条件としては2月~3月の原油価格(ドバイ)は105ドル/バーレル、為替が90円/ドルを見込んでいる。その結果、通期の原油価格を106.3ドル(前回108.2ドル)、為替を83・2円(80・2円)としている、売上高は、電力用燃料の増販で増収となる。為替は円安により円建てベースの原油価格の上昇で在庫評価益が発生、足元の石化製品もマージン増などから増益を見通している。配当は1株あたり年200円を予定通り行なう。
JXホールディングスの石油精製販売事業は経常利益610億円で前年比では982億円の減益。在庫影響を除くと728億円の利益となるが、前年比では117億円の減益となる。この728億円の内訳は石油製品が516億円、石油化学は212億円となる。石油開発事業は746億円で前年比では13億円の減益となっている。通期の見通しでは為替が5円の円安によって在庫評価益が発生するとして上方修正している。が、在庫影響を除くと全体の経常利益は3000億円で前回見通しと同水準となる。セグメント別では石油精製販売事業の通期見通しが1810億円で、前回予想の1300億円に比べると510億円増となるが、在庫評価益が480億円あり、相殺すると1330億円となり、これは40億円の減益となる。うち石油製品は880億円で230億円減、石油化学が450億円で190億円増となる。また、石油開発事業は95億円(25億円、4.1%減)、営業利益が275億円(66億円、19.5%減)。
中東・アフリカの売上高が3777億円(136億円、3.8%増)、営業利益が2653億円(63億円、2.5%増)。
米州の売上高が35億円(3億円、8.6%減)、営業損失が45億円(16億円、26.5%減)。