2013.02.18 のニュース
150円ガソリンを超えて進もう
ガソリン小売平均が150円を超え、高価格による買い控え懸念が聞かれ始めた。確かに150円超というレベルはそうした懸念を抱くに十分な高値ではあるが、実は我々は昨年3月第2週から5月中旬まで、実に10週連続で150円超を経験している。2011年にも大震災直後から5月中旬までの9週連続と7~8月の4週連続の2回、ガソリンは150円を超えた。
ガソリン185・1円、灯油132・1円。我々が最近経験した最高値で、いずれも08年8月上旬に記録した。当時は史上最高値の150㌦に肉迫した原油価格が出現、ガソリン最盛期の夏が氷結してしまった。この時は、実に26周連続で150円超が出現している。その始まりは「ガソリン暫定税率復活」の5月からで、その前は「期限切れ」の4月で税による25・1円の下げが出現していた。この前の3月以前も150円超であったから、期限切れの4月を含めると51週連続、ほぼ丸1年の150円超という試練をSSは乗り越えている。
ただし、当時の原油高は世界共通の事態であったが、今回の原油高は日本だけでのみの現象となっていることが、我々SSの体感を狂わせ、ともすると、これ以上の値上げはしにくい材料と化す。
遡ってみると、今回の値上がりは11月の中旬にその起点が見出される。当時の中東産原油は106㌦前後、為替は81円台で、㍑54・3円だった。その近況は原油113㌦、為替95円前後、㍑67・5円だ。原油は7㌦の値上がりで、その度合いは㍑3・6円に相当する。為替は14円の円安で、それは9・6円に相当する。つまり3・6円部分は世界共通の原油高だが、9・6円部分は日本固有の原油高ということだ。
その国内では、一般には景気回復を想起させる円安ではあっても、出現した150円ガソリンの値上がり背景の大部分を占める、という部分には注意が向きにくい。為替が変動相場制になって以降、77円という円相場が、ごく短期間で23・4%もの円安が出現して95円になった。
厳然たる事実である原油高の呪縛から、国内の石油業は逃れられない。ガソリン高よりも、灯油100円が出現した寒冷地のSSのほうが、そうでないSSよりも厳しい顧客対応が求められる。そこにも思いをはせて、粛々と転嫁を進めることしか、SSの経営防衛の手段はない。