2013.02.19 のニュース
ガソリン粗利のアップが要諦
その市場占有率は過去20年間で21%から29%に増加、1店舗当たりの販売数量に至っては85%も増えた。50年余り続く業態の中で、あらゆるものが飽和・減退を迎える国内にあって、どう捉えても構造不況には見えない数字が弾き出される商品と業態。それはガソリンでありSSだ。
いまから20年前になる全国6万SS時代。当時の内需はガソリン5000万㌔㍑、灯油2800千万KL、軽油4500万KL。燃料油計が2億4000万KLだったから、SS関連の3油種シェアは51%、ガソリンは21%だった。1SS平均はガソリン月70KL、灯油40KL、軽油64KL。
2012年末SS数を5万3000ヵ所、内需はガソリン5700万㌔㍑、灯油2000万㌔㍑、軽油3300万KL、燃料油計は2億KL。SS関連の3油種シェアは55%、ガソリンは29%となる。1SS平均はガソリン129㌔㍑、灯油45KL、軽油75KL。20年の1SS平均増加率は、ガソリン85%、灯油17%、軽油23%となる。
この20年間、燃料油市場が17%の縮小し、21世紀に入って白油オンリーの重装備に衣替えした製油所がフル稼働してわずか数年で軽油の輸出の蓋が閉じて半減した元売。産油国の増強が著しく、シェール起因の廉価品にも席巻されそうな石油化学向けの展望。明日を展望して巨額の投資を行ったが、それが完全に裏目に出てしまった事業も元売には多い。丸20年に及ぶ構造不況、先行き不透明、新規事業開拓。統合や合従連衡を含め、元売はリストラ策を繰り出さざるを得ない業況だった。
経費削減という導入目的から、今日では低収益を競うターゲットと化してしまった指数10、9、8、7…のカウントダウンに象徴されるガソリン低粗利競争が始まった。経営を含め、あまりにも系列SSと元売が渾然一体となって20年を過ごし今日を迎えたが故なのだろうが、どうやら元売とともに系列SSは08年までは一心同体で同舟に乗って沈み続けてしまった。08年以降は、新仕切り体系丸という名の新造船に移り住んだ元売をよそに、そのまま旧舟に取り残されてしまったかのようだ。
沈む舟からの離脱は、残存者利益を得られる本業のガソリン収益を向上させることに尽きる。7、8、9、10…とカウントアップに寄与する施策のみが、我々SSの経営改善策である。