2013.03.15 のニュース
不需要期入りで需給調整~実需に見合った生産を~
石油各社の灯油需要期は終了となったが、ガソリンは在庫状況をみながら減産で対応することになる。4月に入れば、各製油所の定期修理時期と重なり、実質減産となるが、1月~3月の生産は前年度並み、もしくは微増で対応してきており、これから4月~6月は不需要期となるため、需給緩和が懸念されている。現在、アベノミクス効果により、株高、為替の円安で景気回復が期待されているが、石油製品は減販傾向が続いており、ガソリンは省燃費車の普及などがあって、1台当たりの消費量が減少しているため、増販は厳しい状況となっている。加えて、灯油が不需要期に入り荷動きが止まり、一気に減販となる。また、暖房用のA重油も減販となるため、各油種とも販売が低迷する。そのため、石油各社は早めに減産対応の方針を打ち出し、需給調整を図っている。
3月中旬となり、灯油は在庫調整の時期を迎えた。
石油週報(9日)によると、灯油在庫は199万㌔㍑となり200万㌔㍑を割っているが、前年に比べると高水準を維持しており、供給増とはなっていない。
これから、石油製品の中間留分が不需要期に入るため、ガソリン販売が中心となってくる。4月から春の行楽シーズン入りとなるため、ガソリン販売増が期待
される。昨年は新車販売が好調だったことから増販となったが、今年の販売動向が注目される。
ただ、ガソリン価格が150円台/㍑となっているため、高値感からのユーザーの節約志向が懸念されるところである。
昨年末から、原油価格上昇と為替の円安化影響で、末端市況が連続して値上がりとなっていたが、ここにきて一服状態となっている。現在、ガソリン増販が見込めないことから、市況維持のためには需給調整が不可欠となる。
そのため、石油各社には販売減となれば輸出で、供給増となれば減産で対応するよう、実需に見合った生産が求められている。