日刊ニュース

2013.05.07 のニュース

24年度 燃料油販売は0.4%の微増 -2月~3月 ガソリン、C重油が大幅減-

 経済産業省が発表した石油統計速報によると、平成24年度の燃料油販売は、1億9752万㌔㍑で前年度比で0.8%の微増となった。油種別では、C重油が2774万㌔㍑で17%増、軽油は3344万㌔㍑で1.7%増となったが、他油種は軒並みマイナスとなった。ガソリンは5645万㌔㍑で1.3%減、ナフサは4317万㌔㍑で1.2%、ジェット燃料は397万㌔㍑で5.6%、灯油は1899万㌔㍑で3.2%、A重油は1376万㌔㍑で6.3%の各減少となった。
 低廉な価格が求められるLNG輸入は8483万㌧で4.9%増となり、うち大半を占める電力10社の受入は5832万㌧となった。
 一方、平成24年(1月~12月)の1年間でみると燃料油販売は、1億9984万㌔㍑で前年比では3.5%増となっている。油種別では、ガソリンが0.4%の微増となっており、軽油は2.3%増、灯油も2.8%増、C重油も37%増となっている。
 平成24年(1月~12月)と24年度(4月~3月)と、同じ1年間で比べると伸び率では大きな違いが出ており、24年度が24年に比べると232万㌔㍑減となっている。これは今年の1月~3月が減販となった結果によるものである。今年1月の燃料油販売は1.2%増となったが、2月は7%減(前年が閏年)、3月が6.3%減(日曜日が1日多く出荷日が1日少ない)となっており、マイナスとなる要因が重なっている。ガソリン販売も1月は2.7%減、2月は6.7%減、3月は4.5%減となっている。このように1月~3月は販売減が続いていた。
 増販が続いたC重油販売も2月が9.3%減、3月も19.5%の大幅減となっている。電力用の増販が一巡したことによるものであるが、今後のLNG、石炭火力の稼働と原発の再稼働に大きく影響される。3月の販売は、他の油種でも灯油が22%減、A重油が13%減と大幅な減少となっている。
  ガソリンの減販は、150円/㍑台相場の高値感からユーザーの節約志向が強まったことによるものとみられる。灯油も気温が早い時期に上昇したことが影響して減販となった。このように2月~3月販売が減少傾向を強めている。前年2月が閏年で29日あり、今年2月は28日で1日少ないことも影響している。さらに3月も出荷日(営業日)が少ないこともあったため、統計上の数字では差が出たが、それを相殺した上でも、販売は減少している。
 ガソリンが減販となったことから、販売業者間に安値競争が展開され、仕切価格が4月20日から1円90銭~2円80銭/㍑の値下げ、27日からも40銭~1円50銭の値下げとなったこともあり、末端市況は3円~4円、地域によっては5円程度の下落となった。石油情報センターの週動向調査でも、全国平均が154円/㍑(4月22日)となり、3月の156円に比べると2円の値下がりとなってきた。
 しかし、街道沿いの市況実勢は、150円の維持すらも難しい状況にある。中心値は147円~148円となっており、最安値は140円割れも散見されるが、値下げによる増販は期待できないため、マージン確保で安定経営を目指すべきである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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