日刊ニュース

2013.09.12 のニュース

待ちわびた競争秩序の確立

 公取委の「ガソリンの取引に関する調査」報告書が公表されて2ヵ月弱。仕切り体系を見直す動きが出ているとも漏れ聞くが、いまのところ、善処に向けた明確な回答や措置は得られていない。石油販売業者の大勢が不満に感じていること、公取委が改善を求めた点をもう一度確認しておきたい。
 元売は系列特約店に対して「優越的な地位にあると考えられる」と指摘されたが、資本力はいうまでもなく、精製、物流、貯蔵、卸、小売の各流通段階を一貫する支配力は、優越的をはるかに超えて「圧倒的」。個々の系列特約店・販売店から見れば、なおさらだろう。
 元売は自社製、あるいは自社製同等と認めたガソリンのみの販売を実質的に義務付けている。同系列SSに信じがたい廉売価格が発現していたり、系列業転格差によって競争のスタートラインが捻じ曲げられている。業転ローリーがSS前を往来している場面も多々あるのに、「業転は出していない」と言う。理屈はあるようだが、元売の言行不一致が不信を募らせた。販売関連コスト負担は過重で、防戦のためにやむなく業転を手当することもままならない。油外で利益を積み増すのはいいが、我々の業の根幹は石油販売だ。
 公取委は報告書で「仕切りフォーミュラの各構成要素の額の明示」「仕切り体系を見直す際にはその結果を一方的に通知するのではなく、交渉の機会を設けて一般特約店の意見に耳を傾ける必要」「販売関連コストの額に対する理解促進のための定期的な説明や意見交換」「業転玉の取扱いを一律に制限・禁止するのでなく、系列特約店等の意見を踏まえ、一定のルールを策定する必要」などを指摘したうえで、「公正な競争環境を整備する観点からみて不適切」と改善を求め、不当に一般特約店に不利益を与えるなどの独禁法に違反する疑いがある具体的事実に接した場合は「厳正に対処する」とした。事業所管庁に対しては、公正な競争環境整備の観点から、「まず関係者間での適切な対応を促す必要がある」と押した。
 2ヵ月の間に改善策は練られたのか。“不適切”と評された仕切り体系のあり方や業転の取扱いに関する説明や意見交換が、一般特約店にどれだけ行われたのか。恣意的な対応はないか。いま政・官、メディアまでもが事態の成り行きに注目している。

提供元:全国石油商業組合連合会
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