日刊ニュース

2013.10.09 のニュース

ガソリン減販、下落傾向が強まる 消費税引き上げの対応を急ぐ

 ガソリン市況は7~8月が値上がりとなったが、9~10月が値下がり局面となり、大きく変動している。仕切価格は9月に入り連続して値下がり、10月も第1週の5日からJXは据え置きとなったが、他社は1円から1円50銭の値下がりとなった。当分は値下がりが続きそうであるが、来年4月から引き上げられる消費税の転嫁問題もあるため、販売業者は今から準備すべきである。
 原油価格はシリア情勢の緩和から下落、アメリカでは与野党の対立から暫定予算の執行が停止となり、株価下落、ドル安、WTIも値下がりとなっている。
 ガソリンの仕切価格は7~8月には連続して値上がりとなり、ユーザー転嫁も浸透して末端市況も値上がりした。7月の販売は猛暑となり、前年比で2%の増販、8月も猛暑が続き増販となったが、後半では天候不順もあって伸び悩み、前年比では微減となった。
 末端市況は、石油情報センター調査でみると6月が150円であったものが、7月の中旬には155円、8月には160円と一気に値上がり、9月初めには161円まで値上がりとなった。しかし、9月に入ると仕切価格は連続して値下がり、9月末(30日調査)には160円と値下がりしてきた。全国平均では160円/リットルとなり、前週に比べると70銭の値下がりとなった。平均では160円相場となっているが、首都圏の街道沿いの実勢は155~156円、安値は150円、HC、量販店の超安値は145円となっており大きぐ乖離している。今後は値下がり傾向は強まりそうである。
 ガソリンの販売は、例年7~8月は夏場で増販となるが、その反動で9月は減販となる。今年の9月販売は前年比で5~6%減となっているようだ。9月の連休に台風の到来があり、10月に入っても相次いで台風が発生したこともあって減販となりそうである。
 減販は天候不順もあったがガソリン価格が160円台となったことからユーザーが節約に取り組んだことも要因としてあげられる。さらに安倍総理が来年4月から消費税を8%に引き上げることを正式に発表したことで、増税を前にして、住宅、マンションなど駆け込み。需要が発生する動きもあるが、増税による消費動向の変化、物価上昇が話題となり消費を抑える動きも出ている。
 ガソリンの消費税は、仕切価格が140円とすると現行の5%で7円となるが、これが8%となると約11円となり、4円の増税となる。4円という大幅な値上げとなるため完全にユーザー転嫁できるのか、今から懸念されている。税金であるためユーザーへの転嫁は当然であるが、販売業界は価格競争が激化しているため、完全転嫁が難しいとされている。4円の大幅な転嫁が不発となると、SS経営は破綻に追い込まれる。
 来年4月時点で仕切価格の値上がり局面と重なると、大幅な値上げとなることで苦戦は必至となるため、今から対応策が求められている。また、今回の消費税の転嫁方式では消費税の外税表示を認めているため、中味価格と消費税の別建て方式も可能となる。この外税表示は10月からすでに可能となっているため、無印SSなどが実施すると混乱するのではないかと懸念されている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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