日刊ニュース

2013.11.26 のニュース

何処へ…不思議ガソリン相場

 ガソリン卸価格について、A社は訴求して6・4円下げと言い、B社は0・5円下げと言い、B社の別ルート向けは据え置きと言った先々週末。引き続き、先週末は、A社は0・5円上げと言い、B社は据え置きと言い、B社別ルート向けは2円上げ言った。
 これらを俯瞰すると、この2週は、系列向け仕切価格を下げようとする動き、系列外の業転価格を上げようとする動きが顕在化している。ところが、B社の別ルート向けは、これまでのアナウンスを積算すると、先週末からは147円になってしまう。その実勢は京浜地区で130円割れだから、実勢とのかい離がはなはだしい。
 国内石油元売が仮面舞踏会のごとくに、卸価格に対する腹の探り合いを展開してることとは関係なく、円建ての原油価格が着火し始めている。いまの元売系列の週仕切りが原油に連動しているのなら、先週末の仕切り改定幅は2・2円の値上がりアナウンスが中心軸となったはずである。2013年は年明け以降、週平均の原油コストが2円以上の値上がりを記録したのは4週のみ。今回の上げシグナルは、7月第2週以来の上げ幅となる。
 先週末に4ヵ月半ぶりの円安ドル高を記録し、原油コスト高が鮮明化している。先週末の原油相場自体も、この1ヵ月での最高価格帯に上昇している。これによって、今週末の原油コストも0・9円の連続値上がりを示す気配だ。
 原油高を無視するかのような言いたい放題の各社各様の卸価格アナウンスによって、元売のガソリン精製粗利は、極小に低下してしまっている。11月の粗利近況は、今期で最悪だった5月のレベルを大きく下回っている。特に海上相場の低迷は目を覆うばかりで、11月入りとともに日を追うごとに国内ガソリンの独歩安の度合いが強まっており、これでは、おいそれと製品輸入など出来ようもない。
 ところが、石連統計による国内のガソリン在庫は、この時期としては過去最少であり、平年を大きく下回っている。これまでなら、むしろ原油見合いでガソリン高を誘発しそうなレベルであるが、そうはなっていない。卸市場が大きな変質局面にあることを意味するものだ。
 原油相場に連動しない、需給にも連動しない不思議ガソリン相場は何処へ向かって行くのだろうか。

提供元:全国石油商業組合連合会
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