日刊ニュース

2014.01.10 のニュース

元売1~3月で業績挽回 危機感強め市況立て直しへ ~10~12月は赤字見込み~

元売サイドは、1~3月で業績回復に取り組むことになる。昨年10~12月はガソリン市況が低迷し、灯油販売も予想を下回ったことから赤字が見込まれている。上期が実質赤字であったため10~12月の需要期で挽回する見込みで対応したが、ガソリンは業転問題が表面化するなど独歩安となり、業績悪化に拍車をかける結果となった。ガソリンの業転は、原油CIF価格と石油石炭税を加算した価格と同値の水準となったため精製費が出ず、逆ザヤ現象となった。ガソリンがここまで安値となるのは一時的ではあったが、7~8円の差が出る異常な状況となった。冬場になると「灯油高のガソリン安」となるのは例年のケースであるが、それにしてもガソリン安が目立った。年末にきて市中買い、減産対応となり、これにより業転は値上がりしており市況立て直しの動きがでてきた。仕切価格は年末も1~2円の値上げとなったが、末端市況は横ばいで推移しており、中旬から立て直すことになる。ただ、原油価格が下落気味であり流動的となってきた。
 元売、販売業者ともに市況低迷で業績悪化が深刻化しており、危機感を強めている。10~12月は、需要期であり、灯油、ガソリンは増販、増益が見込まれるため、上期の赤字を挽回する予定であったが完全に裏目に出た。1~3月で再度、挽回を期すことになった。
 10~12月が赤字見込みとなったのは、ガソリンの業転が下落したことによる。C重油よりも安価となる異常な状況となった。ガソリンの業転と仕切価格との価格差の是正が求められていたが、逆に価格差が拡大する結果となった。系列仕切価格は値上がりとなったが業転が逆に値下がりしたことで、販売業者からも反発が出た。
 ようやく年末に元売の市中買いが入り、業転も値上がりしてきた。在庫は190万キロリtットルを割る低水準となったが、販売減となったことから売り攻勢が強まり、業転玉が出回り低迷していた。元売も、販売減を機に市中買いを停止したことで業転玉がだぶつき業転安となった。一部の業転安がガソリン全体の価格を下げることになり、悪貨は良貨を駆逐することになり、石油業界は大きな代償を払うことになった。
 さらに、灯油販売の不振も心配されてきた。気温が高く、昨年11月は前年比で0.4%減、12月は15%減が見込まれている。前年の5%増の反動もあるが、寒冷地では販売不振で供給増が心配されてきた。ここにきて冷え込みが厳しくなっているが、灯油商戦も微妙となっている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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