日刊ニュース

2014.01.31 のニュース

ポスト高度化法が焦点に-資源・燃料政策を掘り下げて審議-

 第4回総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会は31日に開催され、資源・燃料政策について審議を開始する。これまでに海洋基本法に基づく「海洋エネルギー・鉱物資源計画」の改定をとりまとめており、次のステップとして資源・燃料政策を審議することになったものである。実質、初会合となり、エネルギーセキュリティ問題から審議する。
 資源・燃料政策は、すでにエネルギー基本計画(案)の策定段階でも問題点が指摘されており、これをさらに深堀りするものである。加えて石油業界では、エネルギー高度化法での判断基準による設備処理が3月末で終了するため、その後の新しい施策も審議することになる。具体策には下部組織として小委員会を設置し議論、夏ごろにはとりまとめる。
 テーマとしては、①高騰しているLNG、石油の安価な調達策、②安定供給のための製油所などの強靭化、サプライチェーンの維持・強化、②石油業界の経営基盤の再構築などが審議される。エネルギー基本計画では「石油は重要なエネルギー源である」と位置付けられ、「石油産業は石油開発、石化などの海外展開、電力・ガス事業への参入による総合エネルギー産業を目指す」と提言されており、その目標達成と支援策などを議論する。橘川・分科会会長は「石油、LPGは今後とも1次エネルギーの太宗を占めるため、安定供給の確保、産業基盤の強化が必要であり、石油政策を掘り下げて検討すべきである」と述べていたもので、引き続き審議することになった。
 政策論としてはすでに提示されているため、より具体策を詰めることになり、助成策とこれを裏づける予算措置となる。LNGなど供給確保のためのリスクマネーの供給、製油所の強靭化計画、サプライチェーンの維持・強化、SSの過疎地対策などは予算要求が行なわれている。一方、当面の課題は、平成26年度の石油需要見通しと基準備蓄数量の決定となる。現在、需要専門委で策定作業に入っているため、その案を了する。需要が減少するため、民間の備蓄数量は減少することになり、余剰タンクの活用なども議論となる。
 焦点となるのはポスト高度化法の対応となる。現在、実施されている設備処理は3月末で終了する。重質油分解装置の装備率を引き上げることで自油化を目標としたが、実質、トッパー能力を削減することになった。その結果、設備は480万バーレル/日から約100万バーレル/日削減され、380万バーレル/日となる。しかし、実需見合いでは330万バーレル/日であり、約50万バーレル/日の増となるのと、今後も需要は減少するため、引き続き設備処理が必要との意見もある。設備に余力があっても、需要に見合った生産と販売方針で対応すれば問題ないとの見方もあるが、石油は装置産業であり、稼働率を追求するため供給過剰となる。
 一方では、引き続き設備処理を行なうと緊急時の対応に支障をきたすため、ある程度の余力が必要との意見もある。また、事業の集約化、効率化でコストを引き下げ競争力を強化することで対応可能との意見もある。そもそも高度化法という法規制で設備を処理することには反発もある。現行の設備処理は、供給論がされないまま実施となったこともあり、石油業界での意見は分かれている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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