2014.04.17 のニュース
ガソリン低在庫が続く 設備処理、定修で需給締まる~業転値上がりを見込む~
高度化法によりトッパー能力の削減が実施となり、新しい供給体制に移行しており、ガソリン需給は安定化するため、業転、先物市況の値上がりが見込まれている。ガソリン在庫は180万キロリットルを割る低水準にあり、さらに製油所の定期修理で一段の減少が見込まれると需給はタイトとなり、業転は値上がりする。トッパー廃棄(製油所の閉鎖)、能力削減の狙いは、供給増を解消することにあり、自動的に業転市況が値上がりすることにある。その結果、業転安が解消され、仕切価格との価格差が縮小されることで業転問題も解決することになる。簡単には業転が急騰することはないが、設備処理の結果が浸透すれば、徐々であるが、業転が値上がりすることになりそうである。
ガソリンの需給状況は、4月上旬は減販が続いているが、在庫は低水準で推移している。石連週報(5日)では176万キロリットルで前週に比べ5万キロリットルの減、前年に比べると41万キロリットルの大幅減少となっており、今後も低在庫が続く。
灯油も126万キロリットルで前年に比べると45万キロリットルの減となっている。灯油の場合はシーズンが終了したため在庫減は問題がないが、減販を背景に在庫水準は大きく変化した。
特に製油所が定期修理に入るのと、トッパー能力が削減されるため減産対応となる。
在庫が大幅に減少しているが、一方では末端のガソリン市況は軟化気味であり、需給実態からみると温度差がある。
在庫水準は前年対比でみると大幅な減少となっているが、販売が減少基調であるのと物流の合理化で低在庫でも対応が可能となっていることがあげられている。これ以上、在庫が減少すれば、タイト感が強まり、業転市況にも影響するものとみられる。
業転問題が表面化したのは、仕切価格に比べ6~7円以上の価格差が発生したことにより、販売業者から強い反発が出たもので、その決め手はトッパー能力の削減によるガソリンなどの減産を求めたものである。結果的には減産を恒久化することで需給安定化を狙ったことになるが、実需が今後も減少を続けると、引き続き減産(トッパー能力の削減)を求めることになる。
今後も減産は続くことになり、まず5月頃には設備処理後の成果をチェックする時期となるが、連休での増販で需給にどのような影響が出るのかがポイントとなる。