日刊ニュース

2014.12.03 のニュース

業者、原油急落で戸惑い 先物は先行して値下がり ガソリン仕切は値下げ必至

 OPEC総会は27日に開催され、生産枠3000万バーレル/日の据え置きを決めたことから、原油価格が急落、国内の先物市況も値下がりに転じている。東商取の先物はガソリンが63円/㍑(ガソリン税抜き)、灯油は65円と急落している。2営業日で約5円の値下がりとなった。OPEC総会では産油国間での調整つかず減産見送りも予想されていたが、当面は、需給緩和と先安感で混迷して値下がりが続きそうである。国内も原油価格の下落でガソリン市況は再下落となりそうである。ガソリン市況は続落していたため、11月初めには安値を底上げして市況立て直しを図ったが、結局は、元に戻ることになった。11月の仕切価格もJXが3円の遡及値下げすることになり、値下がりが明確となったため市況対策は難しくなった。週決めでは、値上げ、値下げが、同額で相殺されたことになるが、11月の加重平均の改定幅は4円40銭の値下げ(10月3円90銭の値下げ)となり、2ヵ月間では8円30銭の大幅値下がりとなった。
末端も先取り値下げ心配に価格競争が再燃の様相も
 原油価格がOPECの減産見送りで値下がり傾向を強めることには疑問はなさそうである。末端市況は、石油情報センター(25日)調査では、158円30銭/㍑となり前週比で80銭の値下がり、19連続値下げとなる。さらに今後も値下がりとなりそうであり、原油急落で見通しは一段と難しくなってきた。
 いずれは下げ止めとなるが、原油価格次第となってきた。原油が反発する材料は、需要期に入っており寒波の到来で需要増となり、需給がタイトになることを待つことになる。さらに、地政学的リスクが発生する、などの要因が重なることがポイントとなる。
 原油安でガソリンなど石油製品が値下がりとなり、物価を押し下げられるため景気回復するには好材料となる。石油製品の値下がりとなるとデフレに戻ることが心配されるが、ガソリンは安値となれば需要回復に寄与することになる。
 ガソリンは上期に5.5%の大幅減、11月も3%減が続いており今後も減販が見込まれるが、ガソリンも140円台となれば、需要は回復する。
 ただ、値下がり局面となってきたため、先取り値下げが心配となってきた。さらに先安感が強まると値下がりを待つことでユーザーの買い控えも発生することも起きる。販売業者も仕入が難しくなり、値下げ競争に巻き込まれることになる。増販、シェアを拡大を狙ってら採算を無視した販売で赤字ななることは避けるべきである。増販となったが薄利多売を自粛してマージン確保を優先すべきである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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