日刊ニュース

2015.03.27 のニュース

仕切調整で業者と元売が交渉へ 業転との価格差、決算対策も絡む

 ガソリン市況と系列仕切価格との間に乖離が目立ち、元売と販売業者との間で調整の交渉が行なわれているようだ。仕切価格が連続して値下げとなったが、2月に入り一転して値上げに転じたため、販売業者もユーザー転嫁に取組んだものの、末端市況では未達が生じたこともあり、仕切価格の調整を求める声が出ており、元売も応じることになったようである。
 元売も仕切価格の調整(値戻し)ではなく、価格改定としているが、個別の価格交渉となっているため当然不透明となっている。現行の週決めの価格改定は、直近の原油価格の変動を基準に実施されている。いわゆる原油コスト連動万式で昨年6月ごろから実施されているが、スタート直後は値上がりとなったが、秋以降は原油価格が下落したため仕切価格は値下がりが1月まで続いた。
 末端市況も石油情報センター調査ベースでは170円/リットルから134円と36円の下落となった。2月に入り仕切価格が値上がりに転じたため140円と6円の値上がりとなり値戻した。ここにきて再び仕切価格が値下がりとなり、末端市況は微妙な状況となってきた。
 2月のユーザー転嫁は軌道に乗りつつあったが、ここにきて値下がり局面となってきた。さらに3月末となったため3月期決算の締め切り直前となったことから販売業者からも仕切価格の調整を求める声も出てきている。
 仕切価格の動向をみると、加重平均では1月が9~10円の値下がりとなった。2月はJXが2円80銭の値上がり、出光は70銭、昭和シェルが50銭の値上がりとしている。だが、2月の実際の週決め方式での累計では9~10円の値上げを実施している。しかし。加重平均となると1円未満となるため、調整が行なわれたとの見方も出てきた。
 2月の週決め方式では、累計では10円となるが、中旬から5円と2円を値上げしているが、加重平均でも5円上げとなる。末端市況も2月は10円程度が値上がりしている地区も多い。
 週決め方式であるが、先行指標として断って仕切価格を打ち出しているため市況実態とが乖離した場合は、月内では仕切価格を調整するとして遡及して仕切価格を改定したことになる。
 あくまでも先行指標としており、月内には調整(規定)することもあり、今回は2月、3月で調整が行なわれることになる。
 そのため仕切価格が不透明となっており、相場づくリを難しくするとの見方も出ているが、販売業者サイドは、SS経営の立場からは仕切価格の調整は歓迎しており、その額を巡っては思惑が絡むため期待がかかる。ハッキリとした額を提示すると市況下落にも影響するため、個別で対応することになったようである。
 そのため調整幅を巡っては疑心暗鬼も出ているが、その背景には業転との価格差問題もあり、PBなどが仕切価格と同程度の価格で販売している。系列販売業者も対抗して値下げして値下げしているためで、そのツケを元売に回すことになった。
 末端市況は、高度化法により、設備処理が進み、需給は締まり、安定化するかに見えたが、依然として業転玉のルートは安定しており、PBなどの拡大、攻勢が目立っており、価格競争が展開されそうである。今回のように、業転玉が出回ることで末端市況と仕切価格との間に乖離するケースが出ることになった。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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