日刊ニュース

2015.06.23 のニュース

「CX-3」展示が示唆すること

節目の10回目を迎えた今年のSSビジネス見本市には、昨年より1社多い46社が出展。常連企業に加えて今年も4社が新たに出展社に名を連ね、SS業界唯一の展示会である見本市への評価が依然として高いことをうかがわせるとともに、SS業界に対する関連企業の関心がいまだに衰えていないことを示した。
 一方、今年の見本市が例年以上の盛り上がりをみせた要因として、トヨタの燃料電池車「MIRAI」とマツダのクリーンディーゼル専用車「CX-3」の展示がまず思い浮かぶ。それぞれの搬入に際しては、準備作業をしていた他ブースの関係者多数が搬入路の周囲に集まり、車両が移動する様を固唾を呑んで見守るといった場面も見られた。それほど、「MIRAI」と「CX-3」の展示は注目されていたということだ。
 とりわけ石油販売業界向けの展示会としては、水素を燃料とする究極の次世代自動車「MIRAI」に対して、環境対応、災害時BCP、独自のスカイアクティブテクノロジーなど、化石燃料使用車として最高峰に位置する「CX-3」を展示できたことそのものが、今後とも化石燃料使用車を主力であり続けさせようという強い意思表示として、非常に大きな意味があった。
 ただし、“ディーゼル”そのものが置かれた現状はどうかといえば、決して順風満帆とはいえないのが実情だ。例えば、CO2排出抑制の観点から、欧州では新車販売台数の約50%をディーゼル車が占めているのに対して、国内のそれは1%以下に過ぎない。石油業界として軽油販売に力を入れようにも、全軽油販売量に占めるディーゼル車(トラック、バスなどを除く軽油乗用車)の割合は約6%にとどまる。
 日本では、環境対応というとハイブリッドが短中期的な柱として認識され、その先に電気自動車や燃料電池車が位置付けられてきた。“ディーゼル”には一部誤解に基づいた負のイメージがいまだに付きまとい、短中期のシナリオにすら登場しにくいというのが実態だろう。
 しかし、SS業界としてはここでいま一度ディーゼル車に目を向け、軽油販売を見直してみてはどうか。“ガソリン需要の掘り起こし”“灯油復権”などのキーワードに、“軽油需要拡大”を加えてみる価値はないか。「CX-3」の展示はそんなことを示唆しているように思える。

提供元:全国石油商業組合連合会
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