2015.07.07 のニュース
スキャンツールは重要な武器
油外収益をテーマとした「ぜんせきweb」6月アンケートでは、油外収益を拡大していくうえで重要な武器となる『スキャンツール』をSSで持っているか否か聞いた。結果は「持っていない」が67%、「持っているが使いこなしていない」が25%を占め、「持っている。油外収益の強力なツールとして使いこなしている」は7%にとどまった。
「持っていない」の67%については、OBD2(車両診断システムの世界標準=第2世代)対応車両が来店し車両の不具合を訴えても、全く手出しができないということを意味する。「持っているが使いこなしていない」の25%についても、油外収益につなげるどころか、ドライバーが納得する説明ができるかどうかも覚束ないということになる。
OBD2対応車両だけで国内の全保有台数の50%以上、OBD1(OBD2の国内規格版=第1世代)対応車両まで含めればほぼ100%とされる普及率に鑑みると、67%のSSがなんの手出しもできない、加えて25%のSSがきちっとした説明ができないという現実は極めて厳しい。
他方、明るい兆しも見られる。先般の「広島SSビジネス見本市」では、多くのSS経営者・従業員がスキャンツールの実演を行ったブースを訪れ、スキャンツールの基礎的な使い方から油外収益につなげる応用編まで、幅広く説明を受けた。ブースの説明者が驚くほど反応は積極的だったという。
現状は、整備業界ですら保有率が60%前後との見方もあるスキャンツールだけに、SS業界の保有率の低さやいまひとつ理解されにくい実態は、決して想定外ではない。なんと言っても、問題はこれからだ。
カーディーラーの保有率は当然100%。整備業界も国交省の補助金を得てジワジワと保有率を高める中、SS業界はどう取り組むのか。折りしも全石連主催の人材育成事業「スキャンツール研修」が全国でスタートする。スキャンツールの活用方法と重要性を学ぶ絶好の機会として、このセミナーがどの会場も盛況となるなら、今後に期待が持てる。
洗車以外一切車体に触れない方針ならともかく、オイルであれタイヤであれバッテリーであれ、少しでも車にかかわろうとするならスキャンツールは不可欠だ。SS業界が整備業界に遅れをとらないよう、スキャンツールへの関心を高めていきたい。