日刊ニュース

2016.02.02 のニュース

ガソリン、灯油の掛売はマージン確保 現金安の掛売高で価格差が拡大

ガソリン、灯油の販売は、暖冬のため減販が続いたが、ここにきて冷え込み、荷動きが活発化してきた。
減販と原油価格が値下がり、市況は下落しており、マージンが減少して販売業者の業績は悪化している。冬場は灯油、ガソリンの増販で経営が改善される時期にあるが、今年は見込み違いとなっている。
原油下落で仕切価格は連続して値下がりしたが、末端市況は先取りして値下がりしたため、マージンが減少する状況が続いている。下落局面では末端市況の値下がりを遅らせることでマージンを確保したいところであるが、今回は値下げに勢いがついており、下げ足がはやく、下げ過ぎとなっている。
ガソリンの安値は100円相場となっており、消費税込の仕切り価格をも下回る水準となっている。安値は安い業転玉を仕入れて販売しており、系列販売業者も100円強で追随しているが、マージンは5円程度と減少している。
100円割れも散見し、ユーザーに安値で訴え、効果を見込んで増販を期待しているが、ユーザーも安値に慣れてきたため、増販には結びついていない。100円台相場になると税金分(ガソリン税、消費税で62円)の方が多くなっている。ガソリンが高値のため、減販になるとの見方もあったが、値下がりしても増販を見込めないことを実証したことになる。
これら100円台の安値競争は、街道沿いSSの表示価格であり、都心部の掛売りは130円台を維持しているケースもあり、マージンは30円を確保している。掛売りは、都心部に限られているため、一部のSSとなるが、これだけ地域格差が拡大していることとなる。都心部は、土地代も高くコスト増となる。すでにSSも撤退しており、競争相手がいないこともあるが、値取ができている。市況急落の供給局面では、都心の掛売りが市況を維持することでマージンを確保して有利となっている。
都心部では、コスト面から見て新設するケースはなく、過疎化が進みSS不足となっている。特に休日となると、SSが休業しているため給油ができないケースも散見し、緊急時の対応も問題となっている。過疎化問題は地方だけでなく、都心部にも発生している。
それでも価格競争は展開され、掛売も徐々に値下げに追い込まれているため、安心はできない。灯油も業転、仕切り価格が続落している。そのため末端市況も下落しているが、掛売りはマージンが確保できている。灯油の場合はシーズンが限られているため、短期決戦となる。
掛売は、月単位の値決めとなるため、月末の値決めが難しくなる。今冬のように下落局面となると、申し入れ価格の時期と値決めの時期では、相場が違うことになる。さらに業転の値動きも激しいため、相場観もつかめない。
そのため仮価格での申し入れとなり、決済段階で調整となるが、マージンが後で決まることになる。だが、それでもマージンは確保できている。ガソリンよりは多いようである。
SS店頭価格もガソリンに連動して値下げしているが、安売りの目玉商品とするケースは姿を消している。灯油安でガソリンの増販を狙う商法よりもガソリンが先行して値下げしたことになる。石油情報センターの調査(25日)ではSS店頭は62円80銭/リットルとなり、前週比で1円60銭の値下がりで、28週連続して値下がりとなっている。
累計では23円の値下がりとなっているが、仕切り価格は40-45円となっているため、マージンは確保している。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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