日刊ニュース

2016.02.23 のニュース

0.26円の完全転嫁を

4月1日から、石油製品に課されている地球温暖化対策税が1㍑あたり0.26円増税される。我が石油販売業界はこの増税分をきちんと小売価格に上乗せ転嫁しなければならない。原油価格の下落で製品価格も連続して下落してきているが、市場では必要以上に下がっており、当然のごとくマージンも縮小している。
 そんな中での増税である。国の税金だからきちんと製品価格に上乗せされてくる。SS店頭ではその分を製品価格に転嫁しなければ、販売業者自らが負担することになり、収益悪化が加速することにもつながる。各社は増税への備えを怠ってはいけない。
 1㍑あたり2.04円の石油石炭税に「地球温暖化対策のための課税の特例」として0.76円を上乗せする法案が2012年3月末に成立。化石燃料を大量に使用する産業界などへの影響に配慮して、12年10月1日に0.25円、14年4月1日に0.25円、そして今年4月1日に0.26円と、足掛け5年をかけて3段階で引き上げてきたもの。
 業界はすでに2回の増税を経験してきた。2回目にあたる14年4月の増税は消費税の5%から8%への引上げとのダブル増税で、1㍑あたり5円前後の増税となったことから、店頭での完全転嫁はSSの死活問題でもあるとして必死に取り組んだ経緯がある。
 さて、今回が最後の増税だ。SS店頭では銭単位の通貨がないだけに、お客さんに説明のしにくい増税である。「これくらいの増税なら、まけてくれ」と言うお客さんもいるだろう。きりがいいからと1円値上げすると便乗値上げと言われるから、それは避けなければならない。お客さんに理解してもらい、きちんとその分を回収することは、SS店頭では不可能に近い。その一方で、4月以降に元売が特約店に出す代金請求書には0.26円が上乗せされてくるから、それを被ることは絶対に避けなければならない。
 第2弾の消費税増税は来年4月に予定されている。現在の価格水準が続いた場合、ガソリンの本体価格にこの石油石炭税や温暖化対策税、それに巨額なガソリン税を加えた総額に10%の消費税が課せられるから、トータルの税額は本体価格を大幅に上回ることになる。来年にはこんな税転嫁も待っているのだから、今回の0.26円増税も確実に転嫁しなければならない。

提供元:全国石油商業組合連合会
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