日刊ニュース

2016.05.18 のニュース

公取委再指摘の厳守を

2013年7月に公表したガソリン流通実態調査とそれに基づく元売各社への改善指導について、公正取引委員会は昨秋以降、各社がどのような改善を行ったのかフォローアップ調査を行い、このほど詳細が公表された。一言でいうと公取委の指摘は、その後の系列特約店との取引に十分に反映されているとはいえないとして、改めて改善を求めるというものだった。
 仕切価格の決定方式について「一定のフォーミュラで取り決めている元売が、価格体系等を見直す際の交渉、各構成要素の額、販売関連コストの趣旨や用途の説明を十分に行っていない場合がある」など、要請した点が必ずしも十分に改善されたとはいえないとした。
 業転玉の取り扱い制限についても、元売は自社が出荷した業転玉を、それがどのような流通経路で販売されたものであっても、系列特約店・販売店が購入・販売することを制限しないと言いながら、実際にはエネルギー商社に圧力をかけるなどして、系列特約店などが自社業転玉を自由に購入・販売することが妨げられていると指摘した。
 そのほか、今回は仕切価格の遡及的な引き下げ、つまり事後調整についても言及している。前回の公取委による改善指導の後、元売が過去に決別したはずの建値制度を復活させたことによるもので、仕切価格の決定の仕組みを極めて不透明にしていることからフォローアップ調査の対象となった。
 12年前の04年9月発表のガソリン流通実態調査と公取委指導によって、元売各社は新仕切価格体系を導入した。価格指標を参考に一定のフォーミュラに基づいて値決めする方式で、決め方に問題はあったが不透明・不公平の象徴である事後調整は影を薄めた。
 再び復活した事後調整について公取委は、基準の不明確な仕切修正は系列特約店を元売の販売政策に従わせやすくすること。合理的な理由なく差別的な取り扱いをすることは系列特約店を競争上著しく有利・不利にさせ、一般特約店の競争に重大な影響を及ぼすとして差別対価になる可能性があると指摘した。
 元売だけでなく商社、特約店・販売店からくまなくヒアリングしてまとめた指摘である。公取委はこれを、元売各社に改めて突きつけることになるのだろうが、公正競争の守護神として「指摘の厳守」に向け厳しく対処していただくことを期待する。

提供元:全国石油商業組合連合会
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