日刊ニュース

2016.06.15 のニュース

6646億㌔㍍を支える自負

 国土交通省が自動車ユーザー1万人弱に実施した統計調査に基づく推計によると、2014年度におけるガソリン車1台あたりの年間平均走行距離は前年度比4・8%増の約9400㌔㍍。うち自家用旅客用途の「普通」は1・3%増の8900㌔、「小型」は1・8%増の9千㌔、「HV乗用」は3・8%増の1万3400㌔、「軽自動車」は5・2%増の8700㌔だった。
 一方、ガソリン消費量は走行距離の伸びに比例して4年連続で増加するなどエネ庁統計と異なるが、国交省データで単純試算すると、ガソリン車の平均燃費は0・3㌔良化の11・4㌔となり、5年間では0・7㌔改善した。うち自家用旅客の「普通」「小型」はともに前年度比0・1㌔良化し8・5㌔、11・4㌔、「HV乗用」は0・1㌔悪化の15・9㌔、「軽」は0・5㌔良化の13・8㌔。HVは中・大型車へのラインナップの広がりが影響したか。いまや新車販売に占めるシェアはHVが2割強、軽が3割強だから、その保有比率も一層高まり、全体的な燃費向上が進むことは不可避だ。
 特に軽の燃費改善は著しく、5年間で1・2㌔も良化している。燃料油マージンの圧縮が進み、油外事業の拡大に活路を求めるSS業界にとって軽の増勢は厳しいが、ここ数年来、地場中小SSからは「社用車はもとより、いままで中・大型のガソリン車に乗っていた上得意客がHVに切り替える状況が広がっている」などの指摘も目立つ。実は、“軽シフト”に輪をかけてこの“HVシフト“による来店頻度の減少がもたらすダメージが大きいという。
 このデータに基づくと、HVユーザーが1・5倍走っていても、ガソリン普通車ユーザーに比べて月平均燃料消費量は70㍑対87㍑で17㍑少ない。さらに、個人HVユーザーの走行距離がガソリン車ユーザーと同等の9千㌔とすれば、月47㍑。この場合だとほぼ倍・半分。来店頻度が半減しても然りとなる。
 だが、如何ともしがたい。我々SSは、総走行距離6646億㌔㍍のガソリン車ユーザーをはじめ、1039億㌔の軽油車ユーザーを燃料供給面で支えている。燃費向上などを理由に5年間のガソリン需要予測で年率2・5%減少するなら、それに見合ったマージンを確保しつつ、もう1つの社会的使命である安全・安心かつ快適走行をサポートしていく必要がある。その自覚と自負を再確認したい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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