2017.03.14 のニュース
北関東の仲間の悲鳴に共鳴
災害時における石油は、「エネルギーの最後の砦」であり、SSはその最前線で「地域におけるエネルギー供給の最後の砦」の任を担う。まもなく発災から丸6年が経過する東日本大震災を教訓に、段階的に全国整備された1633ヵ所の「中核SS」と473ヵ所の「小口配送拠点」。そして昨年4月の熊本地震を教訓に、2019年度までを目途に8千ヵ所の「住民拠点SS」が整備される。発電機を備えた1万ヵ所の燃料供給拠点が全国をカバーすることになるもので、東日本大震災までの状況と比較して、SSネットワークにおける災害対応力は格段に強化される。中でも、地域社会に密着する地場SSが果たす有事対応力に大きな期待が寄せられている。
ところが、こうした非常時を踏まえた外側へのアピール・ポイントとは異なる日常がSSに立ちふさがっている。減少するガソリン内需も、減りゆく人口・世帯も問題だが、なによりも現実の収益力への不安が大きい。地場SSの収益を毀損する元凶として、同一商圏内における廉売指向が極めて強い量販SSの存在がある。
2016年のガソリン粗利は平均㍑10・8円に低迷した。10円に満たなかったところが18道県に達し、過去最少のところも14道県になった。前年比で1円以上粗利が悪化したところも12県ある。こうした県において、その悪化・低迷の元凶が異業種PBのケースもあるだろうが、情けないことに元売子会社SSが上げられる例がことのほか多い。系列におけるSSのビジネスモデルとして機能せずに、SS業況低迷の主犯として、その名が挙がること自体をおおいに恥じ入るべきであろう。割高に出るという小売価格調査に対しても県平均粗利が7円を割った群馬を筆頭に、9円以下という北関東エリアの中から、その惨状を直接、行政に届ける陳情行動が、この2月27日に行われた。悲惨な状況を作ったのは、元売完全子会社SSである。
我々全国の地場SSは、彼らの痛みを自らの痛みとして共有したい。15円粗利のSSは、それが半減した経営を容易に想像できるだろう。そうした商圏に立地する仲間の苦痛を共有できるだろう。簡単な計算である。適正な収益があって初めて、我々SSネットワークは、いざ、という時に、安心・安全ネットワーク構築を支援した国や地域の期待値以上の責務を果たせるのだ。