2011.04.04 のニュース
国の迅速な支援が必要だ
29日、新年度政府予算が成立した。しかし、予算を執行するための歳入を裏付ける赤字国債発行法案は、参議院での野党の反対で成立の見通しが立っていない。その一方で、国は東日本大震災の復旧対策のための11年度第1次補正予算の編成に着手し4月中の成立を目指している。石油販売業界としても一刻も早く効果的な措置が講じられるよう求めたい。
本紙既報の通り全石連は政府・与党などに、被災した石油販売業者への復旧支援策の補正予算での実施を強く要望している。その中でもまず真っ先に石油販売業者が必要としているのは、SS経営を維持・継続するための資金である。地震、津波による直接の被災だけでなく、在庫不足に伴う営業停止で売上げが途絶し、資金繰りが悪化しているSSが数多くある。そのため石油販売業者の当面の資金繰り対策として「災害特別信用保証」(100%保証)の創設を求めている。
次に、広く報じられている通り被災地では長期にわたり燃料供給が困難になっている。数少ない営業可能なSSには緊急車両や消費者の長い列ができている。しかし、ほとんどのSSが津波にのみ込まれるなどした地区では、その後の燃料供給が全く途絶えている地区もある。そのため緊急避難的に燃料供給拠点を整備する必要がある。
この要望については早速、資源エネルギー庁が、岩手県の陸前高田市をはじめ宮城県や福島県など4地区に、ドラム缶を用いた簡易SSを設置し、緊急車両や消費者の二ーズに応えている。一方、損害が比較的軽微なSSも数多くある。こうしたSSが早期に営業を再開するための改修費用についても支援が必要だ。さらに地震による地盤の液状化なども各地で起きており、地下タンクや配管に問題がないかどうかを確認するための緊急安全点検も必要だ。
冒頭にも提起した通り、多くのSSが長期にわたって休業していることから資金繰りが深刻化しているため、こうした改修費用や安全点検の費用を捻出することが極めて困難になっている。
この大震災によって、ガソリンなどの燃料を必要とする人がいかに多いかが浮き彫りになった。いまだにその状態は続いている。こうした二ーズに応えるためにも、SSが早期に復活することが求められている。国の全面支援を求めたい。