2011.09.16 のニュース
系列SSがブランド料で不満―業転との間で大幅な価格差が発生―
ガソリンが値下がり局面となり、HC、量販店と系列SSとの間に販売価格に格差が生じることになった。その要因は業転市況と仕切価格との価格差にあるとして、系列SS(販売業者)から反発が出ている。
系列SSには、仕切価格の中にブランド料(販売管理費)として約4円が加算されており、業転玉に比べると4~5円高で仕入れることになるので、不公平であるとの不満が高まっているもの。
HCは、割安な業転玉を仕入れており、また資本力がある上に、大量販売であるため、マージンは5円でも経営できることから132円で販売している。一般のSSはマージンとして10円以上が必要であり、ここで5円の差が生じ、仕入れで5円高の価格差があるため、合計で10円以上の差が出る。実際にはHCのガソリン販売価格は132円に対して街道沿いSSは140円前後となっており、都市部では150円となっている。その価格差は多いケースで18円となっている。HCなどの仕入れ価格は業転市況となるため、下落局面では系列仕切価格との間に価格差が拡大する。
系列SSに対してのブランド料の4~5円の加算は、昨年4月から新・新体系に移行したのを機に各社が導入したものである。新体系のスタート時は業転、先物市況に連動しており、仕切価格は業転市況と同値となるので、大手業者と小規模業者との間の価格差も縮小された。そのため公平で透明な仕切価格になったと歓迎されたが、この方式では元売が赤字となったため、ブランド料を加算する新・新体系が導入された。この結果、元売のマージンは確保されることになり黒字に転換したが、販売業者は価格競争の激化から低マージンが続き赤字であるというのが最近の状況である。
ブランド料については、明確でないが、一般的には①元売によるTV、新聞などの宣伝、キャンペーン費、②安定供給の確保策、③元売マークによる品質保証価経営支援策、などが含まれている。これらの支援策が4円相当に値するのかは議論となるところであるが、元売と販売業者間の信頼によるものである。
石商の市場調査によると、仕切価格と業転市況との間には5円程度の価格差が生じており、系列SSが不利であるとの意見が出ている。過去の月決め制の時期においては8~10円の価格差が生じていた。そのためPB(プライベートーブランド)に移行するSSもあったが、最近は、系列を離脱するにもリスクが伴うのと、業転玉を仕入れて商売しても利益が期待できないこともあり、PBへ移行するケースも減少してきた。
ガソリンの需要が減少しており、衰退しつつある業界であるため、安い業転玉を手当てして経営しても利益が確保できるとの確証がない。割安であっても常に業転玉を仕入れるには、資金も必要であり簡単ではない。業転玉を一部購入しているSSもあるが、元売に知られると取引き面でマイナスとなるため、慎重に対応している。
いずれにしても、業転市況と系列仕切価格との間に価格差が拡大したことで、系列SSからの反発が強まっており、このままの状況が続くのか調整が行なわれるのかズ値の対応が注目される。