危険物施設の経年劣化によるものと、経済産業の発展に伴い、施設の構造が複雑化しており、危険性が多様化しているため、今後、漏洩事故がさらに増加することが懸念されています。
また、先般の東日本地震災害による地盤のズレも影響があり、漏洩事故発生に拍車をかけています。
2010年6月の消防法改正で、スタンドの地下に埋められているガソリンや灯油などを保管するタンク(地下タンクなど)の規制が大幅に強化され、埋設後40~50年を超えたタン クは油漏れを防ぐために内面を繊維強化プラスチック(FRP)で加工するか、地下に電極を埋め込み電流を流すことで腐食を防止する対策が義務付けられています。
主に設置年数が50 年以上、防食効果の低い外面保護、タンクの厚さが6.0mm 以下のタンク
主に設置年数が30 年以上、防食効果の低い外面保護、タンクの厚さが4.5mm 以下のタンク
設計板厚によって異なります。表をクリックすると拡大できます。
※構造明細書(消防申請関係書類)をご確認ください。
そもそも、金属は錆びるものです。錆びればもろくなります。
地下タンクも金属で出来ています、何十年も地下に埋まり、錆びないわけがありません。
水が溜まるからです。※多くは結露です。
のみかけのペッポボトルを想像してください。
タンク内部の気相部(空気の部分)の水分がタンクの内側で結露し、タンク底部に溜まります。
油と水では油の方が軽いので、水がタンク底部に溜まります。だから錆びるのです。
埋設配管でも同じ原理です。
メンテナンスの一環で検査時に清掃をお勧めする理由です。
14条3の2(製造所等の定期点検等)において(地下タンク定期圧力点検)が義務付けられ、さらに平成16年4月より消防法及び危険物の規制に関する規則の改正が行われました。施設を持つ企業は、今後、より一層環境に対する配慮が必要とされていきます。
また、タンク内部清掃においても漏洩事故を未然に防ぐため点検時に行う事をお勧めしています。
しかし、法律を守っているから事故が無いという訳ではありません。
法律の規制は流出事故を防ぐ為ですが、配慮はタンク所有者がしなければなりません。地下に埋設されているので、気が付かずに莫大な損失(保障等)が発生するケースが多くあります。
近年、消防法上で定める危険物(石油等)を一定数量以上取り扱う施設の流出事故件数は、年々増加傾向にあり、平成20年では386件と高い水準になっています。
当該事故の原因として、過去5年間では腐食等劣化によるものが毎年最も多く、平成20 年では全体の約40%を占め、その内50%は地下貯蔵タンク等からのものです。地下貯蔵タンク等からの危険物の流出は、その構造上発見が遅れる可能性が高いことから被害の拡大が懸念されています。
そこで2010年6月、消防法改正により埋設後40~50年を超えた地下タンクの腐食を防止する対策が義務付けられ、規制が大幅に強化されました。
埋設年数の長い腐食のおそれが高いタンクには、油漏れを防ぐために内面を繊維強化プラスチック(FRP)で加工するか、地下に電極を埋め込み電流を流すことで腐食を防止する対策が義務付けられます。 対策としてFRP内面ライニング工事がお勧めです。