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「二大政党制定着未だし」 2010年03月04日更新

日本においても二大政党政治を実現したいというのが小沢氏の積年の願いであり 前回の衆議院選挙で民主党が過半数の議席を獲得してようやくこれが実現したように思われた。しかしその後の推移をみるとどうもこれは間違いだったようだ。二大政党政治とは本来夫々の政党が国の将来をより明るくするための政策を明示し いずれがより優れているかを国会で議論することにより政策に関して国民の理解を深めていくのが狙いではないだろうか。だとすれば二大政党制における野党はなんでも反対の万年野党のような有様であってはならないはずだ。何時政権が回ってきても充分に対応できるように日ごろからしっかりと準備しておく必要がある。

ところが現在の国会を見ているとまことに情けない現状である。貴重な時間の大半が鳩山首相と小沢幹事長の政治資金疑惑関連の質問に使われている。この件はすでに検察により詳細に調査が行われ結論が出されている。いくら国会で質問を重ねたところで検察が見つけられなかった事実が判明するとは思えない。つまりこの国会での質問攻めは単なるいやがらせにすぎないといえよう。国会の運営には莫大な税金が使われていることを考えると こうしたいやがらせに延々と時間を費やすことこそが税金の無駄使いではないのか。ましてや今の日本は低迷する経済とか巨額の赤字国債とか外交問題とか はるかに重要な課題を抱えているのである。国会での議論がこうした方向に向かわないのをどう考えたらよいのだろうか。

アメリカの二大政党はかなりその性格がはっきりしている。民主党は福祉重視の政党であり共和党は経済成長優先の政党といえよう。その結果民主党政権下では政府が大きくなり税負担が増える傾向があり 共和党政権下では政府は小さくなるが富が富裕層に集中する傾向がある。国民はそれを良く知っているから 選挙の時に自分たちが必要としているものは何かを考えて時勢に相応しい判断をしているように思える。

しかし残念ながら現在の日本の二大政党には はっきりとした性格が見えない。これが選挙のときに国民が判断に苦しむ所以となっている。なぜなのかと考える時見えてくるのは 両党ともにリーダーシップをしっかりと握った人物がいないということである。自民党は長年にわたるぬるま湯にどっぷりと浸かって来たために 政治を真剣に考え危険を覚悟で行動する人物が育っていない。民主党は頼みの小沢氏が政治資金疑惑の渦に巻き込まれ身動きままならない状態となっている。それでなくとも選挙目前の寄り合い所帯であったから全党が一丸となるのは難しい。

結論としては現在の民主党と自民党では二大政党制を根付かせるのは難しいということになる。既存の政党に関係なく政治理念を軸にした議員が集まって新しい政党を構成しあるべき政治の姿を取り戻すことが肝要だろう。なにも二大政党にこだわる必要はない。政治家が本来やるべきことをしっかりとやって
紆余曲折を経てやがて結果として二大政党になるのならそれが最も望ましい姿ではないだろうか。

(一本杉)

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