日刊ニュース

2011.11.18 のニュース

セルフSSの参入は小幅減 ―競争激化で撤退が増加―

 石油情報センター調査によると、6月末のセルフSSは8476ヵ所となり、3月末に比べると27ヵ所の増加となった。4月~6月でみると参入が59ヵ所あったが、撤退が32ヵ所あり、相殺すると27ヵ所の増加となる。
 1月~3月は参入が43ヵ所あったが、撤退が46ヵ所あり、相殺すると3ヵ所の減少となり、セルフ解禁(平成10年4月から)後、初めての減少となった。4月~6月では増加したが、セルフSSの増加は頭打ちとなっており、今後増加しても小幅な増加となりそうである。累計で参入は9188ヵ所となっており、撤退も712ヵ所となっている。今後は撤退するセルフも増加するとみられている。
 セルフは増加を続けてきたが、ここにきて一巡したことになり、セルフ間での競争が激化しているため淘汰が始まっている。新しい大型住宅地の建設は少なくなり、街道沿いのセルフの立地最適地は、すでに建設されているので飽和状態にある。人口が減少し、不況の長期化などで新しい住宅地の再開発も減少してきた。
 このような状況から全国のSS数はピークで4万力所(フルサービス)あったが、現在は3万8000ヵ所に減少している。年間1000~2000ヵ所減少しており、現在も減少を続けている。自由化後の競争激化で、元売もSSの効率化を狙い小規模で不採算SSを廃止する戦略を実施してきた。一時はSSを減らすことが、元売の業績を向上させると評価され、こぞってSS減らしに努めた。
 SS減らしの有力な方策としてもセルフの導入が拍車をかけた。各社ともセルフの建設を積極的に行ない、全SSに占めるセルフ比率の向上を競った。その結果、フルサービスSSが激減した。セルフが1ヵ所増えれば、フルサービスは5~6カ所が減少することになる。セルフのガソリン販売量は月間500~600KL、大型は1000KL以上となっており、フルサービスの販売数量が約100KLであるのに比べると効率的である。
 元売間の競争原理が働き、セルフ時代に入った。各地でセルフブームが起こり、街道沿いに乱立することになったため価格競争に拍車がかかった。さらにHCなど異業種が参入したことで安値販売が目立ち、セルフ間の競争に発展した。HCは、割安な業転玉を購入することで有利となり、加えて低コストであるため、大量販売を目論み、マージンは5円で経営が可能であるとして安値で販売、周辺SSでは対抗できず廃業に追い込まれている。HCの独り勝ちとなっており、薄利多売の商法が展開され、その影響を受けて周辺のフルサービスの撤退が急増した。
 また、セルフの建設は、大型のケースの場合は1億円のコストがかかるため特約店では難しく、元売が建設することになり。その運営は、ほとんどが元売子会社となる。その結果、元売子会社のシェアが、ますます拡大するため、逆に販売業者のシェアが大幅に減少することになる。
 販売業者からは「流通段階において元売のシェアが拡大することは、大を業の横暴であり、中小を業との分野調整も問題となる」との反発が出ているが、この流れを止めることはできず今日におよんでいる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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