日刊ニュース

2012.03.28 のニュース

ガソリン急騰で未達分を残す ―高値で節約となり減販が懸念―

 ガソリン市況は連続して値上がりしているが、仕切価格の値上がりに比べると低く、販売業者は未達分を抱えている。仕切価格の値上が連続で大幅であるため、ユーザー転嫁が遅れている。それでも首都圏の街道沿いのボトム価格は158円に値上がりし、都心部では160円となっている。今後は160円相場も形成されそうである。だが、160円となると高値感から節約による販売減を懸念する見方も出てくる。
 石油情報センターの週動向調査(19日)でみると、平均は156円、東京は160円となり、各週3円程度の値上がりをみせている。だが仕切価格の値上げに比べると末端市況の値上がりは遅れている。仕切価格の値上げ実施日は土曜日からあるが、ユーザー転嫁は即日実施ではなく火、水曜日以降へと遅れることと、石油情報センターの調査は月曜日の実施で発表は水曜日となるため、1週間以上のタイムラグが生じる。
 ちなみにガソリンの仕切価格は、24日(土)から60銭~1円/Lの値上がりとなり、2月11日から連続7週間の値上がりとなった。通算すると約16円50銭の値上げとなっている。末端市況は石油情報センターの調査価格でみると2月13日(月)に143円であったものが、3月19日(月)調査では156円となり、この間13円の値上がりに止まっている。仕切価格の値上げ16円50銭に比べると、その差額の3円50銭が未達ということになる。しかし、次回26日(月)の調査、28日(水)発表では、ユーザー転嫁の実施が反映されるため値上がりするとみられ、央達分は縮小される見込みである。
 仕切価格の値上げ実施は土曜日となるが、末端市況の値上げは火、水曜日と遅れる。これは仕切価格は週決めで改定されるが、何10銭、もしくは1円という小幅な値上げの場合は、即ユーザー転嫁は難しく様子をみることになるためである。ユーザー転嫁は未達分を加算して3~4円が単位となるため、様子をみているとタイミングが遅れ、小幅な値上がりの場合は空振りとなり販売業者負担となるケースも多い。しかし今回の一連の値上げは2~3円という大幅であるため、末端市況も毎週の値上げに取り組んでいることになるが、どうしてもユーザー転嫁は1週間以上は遅れることになる。とくに販売業界は、過当競争体質が残っており、値下げは早いが、値上げは遅いため、適正マージンの確保は難しい状況にある。値上げ局面では、これまでの値下げ分をも回収することでマージン増を狙うが、今回は値上がりが急であるため、ユーザー転嫁が追いつかない。
 しかしながらガソリン在庫は低位となっており、需給もタイトであるため業転市況は上昇し、環境は整備されている。そのため大幅な仕切価格の値上げもユーザー転嫁は浸透しているが、連続値上げでガソリンが高値となったことと、25日からの仕切価格が1円と小幅値上げとなってきたことから、様子をみるケースも出そうである。160円相場に近づくと、ユーザーが節約することになり減販が予想される。これから春の行楽シーズンに入るが、ガソリンの値上がりが急であり、08年夏の180円台の高価格の再来が伝えられていることで、市況対策は難しい状況となりそうである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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