日刊ニュース

2012.04.13 のニュース

大飯原発の再稼動問題がカギ―電力用の石油供給に大きく影響―

 今年の夏場の電力需給が問題となっている。焦点は原発の再稼働が行なわれるかであるが、再稼働ができないとなると、石油、LNG、石炭などの火力発電へのシフトを一段と強めることになり、化石燃料の供給確保がポイントとなる。電力需要面では節電、計画停電などが予想されており、生産工場の操業低下、雇用問題、海外移転など国内景気の後退への影響が懸念されている。石油業界としては、電力向けの石油(C重油、生だき原油)の供給に対応しているが、全原発の操業停止を想定し供給確保に努めている。
 最近の電力10社の石油の受入をみると、1月が重油155万KLで前年同月比116%増、原油は134万KLで175%増、2月は重油155万KLで166%増、原油が159万KLで234%増と大幅増なっている。ちなみに昨年3月は重油が41万KLで7%増、原油は55万KLで108%増となったが、その後の4月~5月も重油、原油は各50~60万KLで推移している。需要期の8月で重油が100万KLの33%増、原油が94万KLで82%増となっている。
 震災直後は、LNGにシフトしたが、石油の受入は、それほど増加していない。前々年が大幅に落ち込み、低水準で推移していたため、増加は期待されていた。石油業界では緊急時のみ石油に依存するのではなく、平時から一定数量を引き取るよう要請しており、今回のエネルギー基本計画の見直しでは、石油火力を電源揃成で「現在の7%を2020年度には15%程度とすべきである」と要望している。
 増加傾向は、昨年3月11月の福島原発事故以来続いているが、当初は、石油火力が増加したものの東京電力のみが対象であり、C重油、生だき原油の供給は、主に輸入で手当てした。そのため、国産C重油での供給増は予想外れとなった。コスモ石油・千葉製油所、JX日鉱日石エネルギー・仙台製油所の操業停止もあり、国産での供給対応も十分ではなかったが、C重油の増産で原油処理を大幅にアップし、石油製品が供給増になるという状況にはならなかった。
 原発が再稼働できないまま、東電以外の電力会社では電力不足が深刻化してきた。昨年の震災直後は、工場、本社事務所が電力供給に余力のある関西、九州に移転する事態となったが、原発の停止で電力不足は全国的となり様相が変わってきた。
 今後の原発政策のカギとなる関西電力の大飯原発(3、4号機)の再稼働をめぐって山場を迎えている。地元(福井県おおい町)、周辺の大阪府、大阪市、滋賀県から再稼働反対の声があがり、政府と対立を強めている。政府は、野田総理大臣、枝野経済産業大臣、藤村官房長官、細野原発事故担当大臣の4閣僚が6日、「原発の再起動にあたっての安全性に関する判断基準」を決定、大飯原発の再稼働に向けて、地元説得に取り組む方針である。
 福島原発事故を機に、定期点検後の原発再稼働が地元住民の反対でできない状況となり、現在稼働しているのは北海道・泊原発のみとなっている。これも5月5日には停止すると全国54機の原発が停止することになる。原発ゼロを避けるため、政府は大飯原発の再稼働に取り組むが、この結果次第で今後の電力需給には大きな影響を与えることになる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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