2012.04.16 のニュース
満タン運動が目指すもの
2度の石油危機、湾岸戦争、そして3・11。売るべきものが必要数量、入手できにくくなったSSと、大切なお客様との間で緊張感が高まった。産油国サイドで起こった危機は原油に対する危機であったから、短期収束されなかったが、大震災の際の危機症状を教訓に、我々の側には中核SSの整備、元売の側には製品備蓄の強化、そして両者からの緊急的な供給ニーズ情報の一元化という措置が取られる対策が開始された。
元売個々でも緊急時対応力の強化が行われているが、ある拠点に大量に製品が保管され、強い災害対応力を有するSSが整備されても、最終ユーザーにきめ細かく行き渡るのか、という問題が残る。公共性の高い施設に届いても、一人暮らしの高齢者など、社会的な弱者の方々に、必要な石油が届くのだろうか、という課題が残る。
個々の世帯に、灯油18Lポリタンクがもう一つ多く、軒先在庫されていたら。個々のクルマが、いつも満タン給油を行っていたら。それが現実のものになれば、日本のエネルギー・セキュリティーが飛躍的に高まることにつながる。
そんな発想で、福島が着手し、埼玉が呼応し、今般、全国展開が指示されたガソリン満タン運動。
国内では、原子力発電が全停止され、再稼働がなければ、最悪の場合、ピーク時に20%の電力不足が起こり得る状況という。空調が完備されているのがクルマだ。情報を入手する機器を備えているのがクルマだ。携帯電話などへの充電も可能なのがクルマだ。「動く」手段ばかりでなく、クルマが稼働しさえすれば、多くのことが可能になる。そうした主旨を上手く伝えられれば、満タン運動は、地域社会とお客様から好感を持って受け入れられるだろう。実際、発信地の福島では、SSマンにそうした声が届いているという。
ここのところ上昇圧力は小さくなっているが、海外でもイラン、イスラエル、ホルムズ海峡というキーワードで、中東産原油は大きなリスクに晒されている。
必要不可欠な製品が不測の事態に直面した際、価格のことよりも、血の一滴という本質が最重視されるのが石油だ。もう一缶の灯油、いつでもガソリン満タン。これを推奨する運動は、SSがお客様とともにあるということを具体化する運動になることだろう。