日刊ニュース

2012.04.23 のニュース

ガソリン需給は緩和傾向 2製油所の稼動も影響か ~先行き供給増の見通し~

ガソリン需給は緩和傾向であり、市況も弱含みが懸念されている。石連週報(14日)によると、在庫は218万KLで前週に比べると2.4万KLの増加となっている。3月初めの190万KL割れの低水準より大幅に増加し、例年の水準に戻った。ただ、JX日鉱日石エネルギーの仙台製油所、コスモ石油の千葉製油所の1年ぶりの再稼働により、供給増を見込んだ動きが出てきている。原油価格の値下がりで、仕切価格も3週連続して値下げとなり、末端市況も下落傾向となったが、これからの4月末からの大型連休を前にして、販売業者は、これ以上の値下げとならぬよう、底固めをする方針で臨んでいる。ここで需給が緩和して、ガソリン価格が一気に下落せぬよう、維持することが重要課題となる。
 仕切価格が連続の値下がりに転じたこともあり、ガソリンの末端市況が下落してきた。
 みずほ総合研究所の発表による週動向調査(16日)によると、平均価格が157円/Lとなり、前週と比べると1円の小幅な値下がりとなった。ただ、街道沿いでは、仕切価格の値下げを先取りして、4円~5円の大幅値下げをしたSSもある。
 今後も値下がりが見込まれる状況にあるが、一方ではガソリン需給の緩和傾同が懸念されている。
 東日本大震災の影響により操業を停止していた2ヵ所の製油所が再稼働となり、これまで市中買いに出ていた元売が自社生産で供給を確保できるようになったため、需給が緩和し、業転玉が増加してきた。
 そのため、業転市況も下落しており、さらなる値下がりを見込んでいる動きもあって、全般的に先行きも値下がり傾向とみている。
 需給が緩和すると、市況も値下がり一色となる。そのため、石油各社は実需に見合った生産で対応しているが、これからの連休商戦を前にして、販売増を見込んで増産過剰ともなれば、供給増となり、ガソリン需給のバランスが崩れるおそれがある。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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