日刊ニュース

2012.05.01 のニュース

業界の要望を網羅も実行策に期待 ―民主党化石エネ小委のとりまとめー

 民主党エネルギーPT化石エネルギー検討小委員会は24日、中間とりまとめを行なった。福島原発事故を機に、エネルギー基本計画を白紙で見直すことになり、総合エネルギー調査会、内閣府のエネルギー環境会議で審議が行なわれているが、これと並行して民主党独自に握言をまとめることになった。
 第1回を3月22日に開き、以後10回にわたり開催、急いでとりまとめた感がある。石油連盟、全石連、日本LPガス協会、JPEC、JOGMEC、電気事業連合会、日本ガス協会、国際石油開発帝石、資源エネルギー庁などの関係者からヒアリングしてまとめたものである。これまで民主党は、エネルギー業界との接点はなかったが、今回パイプを持ったことは、新しい動きとなっている。
 石油業界の意見を受け入れたかたちで網羅されているため、今後、民主党のエネルギー政策としてどこまで実施できるかが注目される。天坊石連会長も「総合エネルギー調査会
の議論は原発問題に終始しており、石油政策についての審議が行なわれていない。民主党として議論することは歓迎し期待したい」と述べている。
 中間とりまとめでは、化石エネルギーの位置付けとして、①10年度ベースで、一次エネルギーの8割強が化石エネルギー起源であり、また一次エネルギーの4割強が電力となるか、その6割が化石エネルギーとなる。現在は原発問題で電力の9割超が化石エネルギーとなっている、②化石燃料の価格問題は、単にエネルギー問題でなく、貿易収支にも大きく影響するため、安価に調達し、最新のエネルギー技術で使用を低減させることが必要である、③そのためエネルギー基本計画に、化石エネルギーが国家戦略上重要であることを明記すべきである、④資源確保に向けてJOGMECによるリスクマネー供給を強化する。権益取得の場合、JOGMECが一時的に柔軟な支援体制を構築する、⑤老朽化した火力発電の新設、増設やリプレースにつき、全国ベースのロードマップを作成するなどの点をあげている。
 石油、LPGについては「災害時に大きな役割が期待される。製油所からSSまでのサプライチェーンの維持強化、災害対応力の強化、緊急時に石油製品が円滑に供給できる施
策を拡充する。そのために学校、公民館などの防災拠点に石油、LPGの導入を進める。平時から石油製品ごとに安定した需要確保に努める」と提言しており、石油業界の要望が、ほぼすべて取り入れられている。
 天然ガスについては「災害対応を高めることが必須であり、そのためには民間を業の天鋏劣スパイブライン整備を国が支援し、枯渇ガス田へのガス備蓄の検討を進める」と、現在検討しているガスパイプラインの拡充計画を支援している。
 SS、LPG販売所については「エネルギー供給の最後の拠り所である。緊急時にもっとも供給要請があるのが、こうした独立型のエネルギー拠点である」と位置づけ、将来的には「新たなエネルギー源の供給拠点として活用が考えるSSやLPG販売業者の減少を食い止め、災害時を含めた円滑な供給体制を全国ベースで確保することが重要である」と、SSの減少に歯止めをかけるべきと提言しているが、こうした問題にどう対応するか、実行策に期待する。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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