日刊ニュース

2012.05.15 のニュース

国際石油帝石 純利益は過去最高を記録 ―原油の大幅上昇が寄与―

 国際石油開発帝石の12年3月期決算の純利益は1940億円(前年は1287億円)で653億円の増(51%)となり、過去最高の利益を記録した。
 増益の要因は、主に原油価格の上昇によるものである。原油(ブレント)は114ドル/バーレルとなり、前年の87ドルに比べ27ドルの大幅な値上がりで3340億円増益となった。為替が79円/ドルで前年が86円であったため7円の円高となり、そのため884億円のマイナス、販売数量の減少、ADOMA鉱区の売上高の増加に伴うロイヤリティが606億円増、法人税の増加(産油国など)などマイナスもあったが、相殺すると653億円の増加となった。配当は中間3000円、期末が4000円で計7000円(前年は6000円)を実施する。配当金は256億円、配当性向は13%となる。
 なお、利益1940億円のうち、権益譲渡益50億円が含まれており、これを差し引くと1690億となる。これまでの最高利益が08年3月期の1732億円であったが、これに比べると減益ということになる。当時の原油(ブレント)は82ドル/バーレル、為替が114円/ドルとなっており、原油は高値であったが、為替が円安となっていた。売上高は1兆1867億円で前年の9430億円に比べ2436億円の増収となった。増収の要因を分析すると販売数量の減少のため44億円の減収となつたが、原油、天然ガスの値上がりにより3340億円の増収、平均為替レートが円高となっため884億円の減収、その他の売上高が25億円の増収となったもの。売上高は1兆円を超えたが、比率は原油が60%、天然ガスが40%となっている。イクシスが生産(LNG840万トン/年、LPG10万トン、コンデンセート10万バーレル/日の計画が開始されると原油換算で20万/バーレルの規模の増産となり、現在の43万バーレル/日から62万バーレル/日となり、生産の比率はガスが60%、原油が40%となる。
 13年3月期の見通しは、利益を1640億円、12年3月期比で300億円の減益(16%減)を見込んでいる。前提の原油価格は100ドル、為替は80円/ドルとしている。販売数量は原油が6%増、天然ガスは10%減、売上高は、原油安とみており1兆0580億円で11%の減収を見込んでいる。その結果、営業利益は5710億円で20%減、経常利益が5930億円で23%減と、いずれも減益を見込んでいる。
 設備投資は6400億円を見込み4299億円の増加となり、総額約2兆円のイクシスプロジェクトの投資が本格化する。探鉱投資も630億円を見込み。302億円増、新規にメキシコ湾、コンゴなどに挑戦する。配当は中間、期末で各3500円、年間7000円を実施する予定。
 なお、13年3月期における油価、為替レートの変動による影響は、油価1/上昇(下落)した場合の利益に与える影響が18億円(18億円のマイナス)、為替が1円/ドル円安の場合は22億円の増、1円の円高となった場合は22億円のマイナスとなる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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