2012.06.18 のニュース
業転が先行下落で仕切値と価格差 ―業者、価格差の是正を求めるー
ガソリン市況は下落が続いているが、今後もさらに値下がりしそうである。首都圏の街道沿いは140円/Lを割って135円~136円となっており、HC、量販店では13
0円割れとなっている。これらが先行して値下げしているため、一般SSも連動して値下がりしている。
市況は下落しているが、業転市況が先行して下落しており、系列仕切との価格差が拡大している。このため、系列仕切が割高となっており、販売業者からは価格差を是正すべきとの声が出ている。
みずほ総合研究所の週動向調査(11日)によると、ガソリンは144円/Lで前週に比べると2円の値下がりとなり、10週間の連続値下がりとなった。4月初めが158円であったため、累計すると14円の値下がりとなる。今年2月の水準に戻ったことになる。
原油価格でみると3月では、中東産が120ドル/バーレル台であったものが、足元では100ドルを割って95~96ドルに値下がりしている。約25ドルという大幅な下落である。原油価格がこれだけ値下がりしているため、ガソリンの仕切価格の値下がりは当然であり、4月以降値下げが続いている。
仕切価格が毎週土曜日から値下がりしているため、末端市況は本来ならば日曜日以降値下がりとなるが、先取りして値下げするSSもある。値上げ局面では、仕切価格は土曜日から値上げとなるが、ユーザー転嫁は、火、水曜日に遅れるのが大勢である。値下がり局面では、先取りして早目に値下げするのが販売業界の実態である。
4月以降は仕切価格が毎週値下がりしているが、末端市況は、その都度値下げすることは難しく、まとめて2~3円単位で値下げしている。そのため地域価格差が生じるケースが出てくる。
仕切価格が連続して値下がりとなっているが、先物、業転市況が、先行して値下がりするため、仕切価格と業転市況との間に価格差が拡大している。仕切価格には業転市況にブランド料という名目で4~5円加算されているため、仕切価格は、その分が割高となっている。
値上げ局面では、先物、業転市況が先行して値上がり、これをみて仕切価格を値上げするため、価格差は圧縮される。原油価格が高騰している時は、ガソリンの需給もタイトになり、「業転高の仕切安」と逆転するケースも出てくる。元売も値上げを達成するには、まず業転市況を値上げすることになり、需給を絞るなど環境を整備する。今年の2月~3月の値上げ時期には、先物、業転市況が値上がりした。その結果、4月初めにはガソリン市況は、158円まで値上がり、一時は160円超えが見込まれていた。
現在は値下がり局面となり、業転市況が先行して値下がり、「系列仕切高の業転安」の体系となっている。原油価格の下落と、ガソリンが不需要期で販売減となったことから需給が緩和したため、業転安となり仕切価格の価格差が拡大してきた。
そのため販売業者からは、元売がブランド料を加算した新・新体系を打ち出した時から、仕切価格と業転市況との格差が拡大しており、さらに拡大傾向を強めているため、不合理であるとして是正を求める声が強くなっている。