日刊ニュース

2012.06.18 のニュース

元売 原油下落で業績悪化 需給調整、市況対策に取り組む ~在庫評価損が発生で~

原油価格が4月以降下落しており、元売の4月~6月決算では在庫評価損が発生するため、業績が悪化することになる。原油価格下落を防ぐことは難しいが、在庫評価損を除いた数値は黒字計上を目論んでいる。3月の中東産原油は120ドル/バーレル台に乗せていたが、ここのところの下落で100ドルを割って、95ドル~96ドルで推移しているため、確実に在庫評価損が発生する。平成23年度の平均は110ドルで前年に比べると26ドルの値上がりで、年度平均では過去最高となり、利益を押し上げ増益となった。しかし、今年度は原油価格が110ドル、為替が80円/ドルと見込んでいたため、大幅な在庫評価損が発生することになる。原油安を受け、石油製品市況も下落しているため、製品マージンの確保が厳しい状況となってきた。元売は危機感を強めており、今後、需給調整、市況対策に備えることになる。
 元売各社の平成24年度の見通しでは、中東産原油価格が110ドル/バーレル、為替が80円/ドルと、前年と同水準で予測しており、在庫影響はゼロと見込んでいる。
 そのため、4月以降の原油価格下落の影響によって、大幅な在庫評価損が発生し、業績が悪化することになる。また、石油開発事業は原油価格が収益に直接影響するため、減益必至となる。
 まだ、24年度はスタートして間もないが、今後の原油価格の動向予測は難しい。現在、予測より15ドルも下落しているため、決算の数字には悪影響を及ぼすが、適正マージンを確保することがポイントとなっている。
 元売としては、原油価格、為替が変動をすることは承知の上であり。この際、マージンだけでも確保することで利益計上を図りたいとしている。
 現在、原油価格の下落によって、石油製品価格に影響が出ており、市況は警戒感をますます強めている。ガソリン市況では、4月以降、仕切価格が連続して値下がりしているが、末端市況では仕切価格の値下がり分以上に値下げしているケースが多く、マージンを吐き出している。
 そもそも元売が仕切価格の値下げを行なっているのだが、末端市況の対策では、適正マージンを確保するよう販売業者に伝えている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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