日刊ニュース

2012.06.19 のニュース

ガソリン業転は異常な値動き 海上高の陸上安に ~元売の市中買いで価格差拡大~

梅雨入りとなり、6月のガソリンは販売不振が続いている。現在、幾つかの製油所が定期修理中であるが、在庫は220万KL程度で推移し、供給増となっている。そのため、業転の陸上物が安値となり、末端市況が下落している。一方、業転の海上物が元売買いで高値となっており、「大口の海上高、小口の陸上安」という異常な値動きをみせている。海上物が122円/L、陸上物が116円/Lと6円の価格差が生じている。海上物が高値になれば、陸上物も連動して値上がりするものだが、原油価格が安値で推移していることもあり、業転の陸上物が値上がりすることは難しい状況にある。
 中東産原油価格は95ドル~96ドル/バーレルとなり、100ドルを割っており、WTIは83ドル~84ドルで推移、為替は79円/ドル程度と、コスト安の状態が続いている。
 4月以降、ガソリンの仕切価格が連続して値下がりしているため、末端市況も下落が続いている。街道沿いのSSの看板価格は130円/L台にまで値下がりし、HC、量販店などは129円相場となっている。
 販売業者サイドはこの値下がり局面では、市況下支えの対応策を打ち出すことが難しく、静観している。
 今後は原油価格の動向次第となるが、ギリシャ、スペインなどによる欧州債務危機問題や世界的な株価下落などの情勢に原油価格が連動しているため、状況が難しくなっている。
 ただ、このところ原油価格が底打ちとなってきたようであることから、販売業者は今が市況対策に取り込む機会であるとの声が上がっている。市況立て直しは、まず業転市況の引き上げとなるが、販売不振による需給緩和と原油価格下落とが重なっているため、そう簡単には行かないとみている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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