日刊ニュース

2012.07.02 のニュース

ガソリン仕切 4月~6月で17円下げ ―末端市況は下げ止まりで限界にー

 みずほ総合研究所による週動向調査(25日)によると、ガソリンは141円/以となり前週に比べ1円の値下がりとなった。12週連続の値下がりで、4月初めの158円に比べると17円の値下がりとなった。5月末が147円であったため。6月の値下がり分だけで6円となる。すでに下げ止まりの状況であり、販売業者の安値維持も限界となっている。
 経済産業局別では、北海道が138円、東北、関東が140円となり、県別では、茨城が138円。千葉が137円となり、130円台が多くなってきた。首都圏の街道沿いは135円か中心価格、安値は127円~129円となっており、さらに値下がりも見込まれている。仕切価格は23日から1円~1円30銭の値下がりとなっている。
 原油価格は、ドバイの3月が120ドル/バーレル台であったものが、足元は約90ドルで推移しており、30ドルの値下がりとなっている。前週末に下落して90ドルを割ったが、ここにきて91ドルと反発している。ギリシヤの財政危機を背景に金融不安から株安となり、経済指標の悪化とともに原油価格が連動して下落している。7月で反発するとの見通しも出ているが、今後の値動きに注視が必要である。
 一方、元売の仕切価格(週次改定)では、ガソリンの値下がりが続いている。4月から6月末までの累計は、JX日鉱日石エネルギーが17円20銭、出光興産が16円70銭、エクソン・モービルグループが17円10銭の各値下がりとなっており、6月は4円~5円の値下がりとなっている。また、JXエネルギーが公害している月平均(週次改定幅を日数で加重平均)の変化幅では4月が関銭下げ、5月が6円30銭下げ、6月が6円50銭下げと、合計で13円40銭の値下げとなっている。累計と平均値とでは違う数字となっている。
 東石商の26日の調査では、ガソリン系列仕切価格は121円89銭(最多値は122円)で、3月比では17円69銭と約18円の値下がりとたっており、5月比では8円33銭の値下がりとなっている。業転は116円90銭で3月比では17円76銭の値下がり、5月比では8円04銭の値下がりとなっている。系列仕切価格の最多値が122円となり、業転が117円となっているため、その価格差は5円となっており、系列高の業転安となっている。
 このように「系列仕切高の業転安」の価格体系が続いているが、仕切価格は業転市況に連動しているため、5円の価格差を保ちながら推移している。その5円の価格差はブランド料となるため、販売業者からは「ブランド料の廃止、または縮小すべきである」との要請がでており、この価格差が妥当か否かで議論しているが、平行線を辿っている。業転玉は、大量に出回ると市況急落の要因となるが、需給調整のための必要悪との見方もある。ブランド料については元売白身が判断をすることになるが、販売業者は、資源エネルギー庁、公正取引要員会などによる調整を期待する向きもある。
 しかし、石油業界は自由化されており業転市場も容認されているため、これを規制することは不可能である。系列の販売業者も場合によっては安い業転玉を手当てしている。大手の販売業者も商売上、業転玉でのコスト低下を図っている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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