日刊ニュース

2012.07.25 のニュース

ガソリン、15週ぶりに値上がり ―原油上昇でユーザー転嫁軌道にー

 みずほ総合研究所のガソリン市滉調査(17日)によると、全国平均は139円70銭/Lで前週比30銭の値上がりとなった。小幅な値上がりであるが、15週ぶりにようやく値上がりに転じてきた。原油価格の値上がりによる仕切価格の値上がりを反映したものであるが、都道府県別でみると温度差がある。内訳をみると、値上がりが23県あり、横ばいが3県、値下がりが21県となっており、値上がり上位は神奈川の2円20銭、東京が1円40銭、秋田が1円30銭となっている。値下がりは沖縄が2円、和歌山が1円30銭/Lとなっており、前週に比べて値上がりした県が多くなっている。
 元売の仕切価格は、7日(土)から約2円値上がりしたが、次週の14日から1円の値下がり、上げ、下げで相殺され末端市況は小幅な値上がりとなった。仕切価格は21日からは80銭~1円の連続値上がりとなっているため、次回の調査では値上がりするものとみられる。
 4月初めの末端市況が158円という高値であったものが7月9日に139円となり、累計19円の値下がりとなったが、17日には1円値上がりで140円まで戻した。
 都内の値動きをみると安値は129円と130円を割り込み、街道沿いのボトム価格は132円に下落したが、ここにきて135円~138円に値上がりしてきた。7日の仕切
値上げを機に、今までの下げ過ぎ分を挽回する動きが出てきたことになる。14日の値下がりでユーザー転嫁に水を差された感じとなったが、再度、仕切価格が値上がりとなったことから市況は維持されそうである。
 ガソリン販売は、これからが夏場商戦となる。減販傾向が続いているなかで、一番の増販が見込まれる時期である。これまでは九州北部の豪雨などの天候不順もあり、販売不振
が目立っていたが、天候が回復して猛暑となれば増置が期待できる。ガソリン販売は、若者のクルマ離れ、節約志向、省燃費車の普及などでマイナスとなっているが、高温となり
車のクーラー使用が増加すればガソリン消費も増加する。景気回復と好天に期待することになるが、ガソリン価格も130円台で推移すれば、大きな落ち込みには至らない。
 一方、原油価格(ドバイ)の動きをみると、今年3月13日に124ドル/バーレルの高値をつけたが後は下落を続け、6月22日には89ドルと90ドルを割り込み、その間35ドルの値下がりとなったが、再び値上がりに転じ、足元では100ドル台に乗せ10ドル以上の値上がりとなってきた。原油価格が4月~6月では大幅な下落となり、元売の業績は在庫評価損の発生で悪化した。
 平成23年度決算は、原油価格が高騰し、在庫評価益が発生したため好決算となったが、石油製品の販売価格が値上がりしたため、消費節約から販売減が懸念された。だが、4月
~6月に原油価格が下落をしても需要回復はみられず、低迷している。元売も業績面から見ると原油価格の下落はマイナスとなるが、原油が高騰すると増益となる反面、石油製品価格の値上がりで減販となるため、痛し痒しとなる。原油価格の安定が臨まれるが、欧州の金融危機、株価の値下がりで原油価格が値下がりし、イランの核開発問題、ノルウェー油田のストで値上げに転じるなど、外部環境に左右される。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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