日刊ニュース

2012.08.21 のニュース

経営危機からの浮上が急務だ

7月中は一進一退だったが、旧盆を挟んで2週続けて3円規模のガソリン卸値上げ。8月に入ってからの卸高の3週累計は6・0~6・6円に達する。2月下旬以来、ほぼ半年ぶりの大型値上げである。
 中東産原油指標も3ヵ月半ぶりに110㌦を超え、ほぼゴールデンウイーク時の相場を回復した。当時のガソリン小売は全国平均・消費税込み153・3円だったが、近況は141円。消費税込みで12・3円値下がりしてしまっている事実と、卸の近況をつないでみると、これから卸6円上げ見合いで小売改定を行っても、採算性を大きく損ねてしまっているSS経営が透写される。
 1年前の8月中旬。105㌦、51・5円前後の原油コストに対して、ガソリン小売は平均・消費税込み150・2円であった。近況は111㌦、55・9円に対して、小売は141円だ。これが我々がいる現在の危ういSS経営状況だ。当然、これから卸値上げに対する転嫁が本格化する過程だから、今後はこの値差が埋まっていくであろうが、この丸1年で原油4円高に対して、小売平均が9・2円安。前年比で約13円もの逆ザヤが生じてしまっている。
 本紙にもある通り、実は元売は、SS向けに限っては、卸の採算性が劣化していない。これまで見てきたゴールデンウィーク比、前年比での採算性の悪化は、ほぼすべてがSSが被った被災額といえる。平均的にこれだけの被りが発生している外見があるから、この1年で市況が沈んだ地域のSSは、さらに深刻な状況にある。
 この極めて深刻な経営を立て直すには、通常の復元力では無理だ。大きな力が必要だ。原油見合い、卸見合いで、大きく採算を劣化させたSSは、1日も早く、これを修復に向かわせることが必要だ。
 今期の元売収益は、原油安に伴う在庫影響のマイナスとともに、製品卸の採算性が悪化したことで、6月までは真水の石油収益が、ほぼ全営業赤字に陥った。7月の修復も後手に回った外観があるから、出血の度合いが大きくなった。そんな親をいただきながら、安値廉売に向かう子会社SSがあってはならない。隈なく監視してほしい。
 一般SSのほうも、新設・改装セール、タイアップキャンペーン、プリカ、メール会員など、どんな口実でも、廉売は避けるべきだろう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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