日刊ニュース

2012.08.30 のニュース

0.25×2+0.26という税

 2008年3月末の旧・暫定税率の期限切れ、5月からの復活。53.8円のガソリン税が28.7円となり、1ヵ月後にまた53.8円に戻るというドタバタ劇が演じられた。それ以来の石油に関わる増税が、あと1ヵ月ほどに迫った。
 2.04円の石油石炭税が「地球温暖化対策のための課税の特例」により、10月1日から税率が0.25円引き上げられて2.29円になる。さらに1年半後の14年4月に、もう0.25円引き上げられて2.54円に、さらに2年後の16年4月に0.26円引き上げられて2.8円となり、足掛け3年半をかけて石油石炭税の増税が完了する。
 これを課せられる石油業、中でもSSにとっては、迷惑極まりない、実にセンスの悪い税といえる。まず、なんで0.25円、0.25円、0.26円という増税が実施されるのか、世間はほとんどこれを知らない。08年の暫定税率騒動と比較するまでもなく、まだマスコミも静かだ。増税を実施する主体の国および当局も、一般社会への浸透PRについては、まだほとんど無為無策だ。
 ガスと石炭も増税となるから、今後は増税に関する動きは、もう少しにぎやかになるだろう。特に総括原価方式で、完全転嫁できる都市ガスがその先頭に立つだろう。
 ガソリンは、揮発油税、地方揮発油税、この各基本税率に加えて、「当分の間税率」という訳のわからない冠が被されて、さらに消費税5%が 「揮発油税・地方揮発油税・当分の間」の各税金にタックスーオンータックス。
 石油石炭税は、湾岸戦争の戦費調達の際に1.02円の「臨時特別税」という冠が被せられたことがある。
 振り返ってみると、「わかりにくく、こっそりと、確実に」。こうした徴税当局の常套手段は、担税力という点では極めて優秀な石油に対して、過去幾度も、極めて難解な冠が被されて実施され、今日まで継続している。今回の「0.25×2十0.26」税は、「わかりにくく、こっそりと、確実に」の履歴の中でも最優秀賞に値する。
 きっとSS店頭で「なんの増税」と問われるだろう。多くのSSが転嫁できずに増税を被るだろう。こうして集まった「地球温暖化対策のための課税の特例」という税目から、石油を使わないクルマや、ライバルエネルギーの普及加速のために、使われるのだろう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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