日刊ニュース

2012.09.03 のニュース

徳山、坂出…その先のSS

日量450万バレルが2013年度末(14年3月末)に424万バレルに削減されることが確定した。残るは最大手JXの決断で、コスモも残った3製油所の微調整による小幅削減がまだ必要な状況という。
 日本の石油の単位に換算・変換すると、以下のようになる。日量71・5万㌔㍑が13年度末67・4万㌔㍑に削減される。JXと東燃ゼネの削減計画などが加わることで、これは62万㌔㍑ほどに縮減されるだろう。
 ここまでの削減は、エネルギー供給構造高度化法によって、やや無理やりに行政から決断を迫られたという側面がある。この国内製油所の原油処理能力の中で、90%稼働なら2億300万㌔㍑、80%稼働なら1億8100万㌔㍑。
 主に東アジアの最新鋭かつ大型の製油所がターゲットになる国際競争力という観点。さらに30年に1億3千万㌔㍑に縮減する内需概況。この2つを意識すると、さらなる製油所能力削減は避けられないだろう。
 総合的に判断して、製品輸出入を含めた物流能力、改質や脱硫など2次装置能力、ライバルとの比較優位性など、競争力の点で勝る製油所が残っているのであり、製油所の処理能力をさらに削る=競争力を劣化させる、という判断ではなく、今後も製油所または精製処理系統ごとの廃止となるだろう。
 すでに大勢は大手元売の資本傘下にあるとはいえ、極東、富士、太陽など1製油所の元売や精製専業にとって、製油所の命運は、文字通りに会社の存廃と重なることになる。したがって今後は、製油所の統廃合を理由とした専業や中堅元売の統廃合が起こり得る。大手がまず我が身を削る。こうしてバランスを取るという選択肢もあり得ない。当分の間、我慢比べが起こるだろう。
 その我慢比べとは、供給過剰の市場に対する耐久戦を指す。精製粗利の少なさを競うもので、ブランドを冠さない市場での価格競争力が問われる時代が来る。
 この時代に存在する系列SS。その時代に流通している系列ガソリン卸の競争力。元売の大小に関係なく、系列SSが強くなる展開があり得るのだろうか。これまでの10年がそうであったように、これからの10年も優勝劣敗という掟が適用されるのだろうか。
 卸の透明・公平が必要に迫られ、SS過疎地問題が国家的な対応を迫られている背景がここにある。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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