日刊ニュース

2012.09.25 のニュース

灯油のリセットを急ごう

かつてない残暑の9月も終盤に入り、ようやく秋の気配が訪れてきた。本格的な灯油商戦を前に、いま一度、自社SSの灯油商戦を迎える気構えと採算性を精査すべきタイミングだ。お客様にも、SS経営にも寄与する暖房期を迎えるために、今シーズンの灯油に近況を見てみよう。
 公表9年目を迎えている石連統計によると、9月15日現在の灯油在庫は293万㌔㍑にとどまっている。これは過去2番目に少ないもので、しかもこの1ヵ月間の積み増し具合が「異常」シグナルを発している。
 シーズン本番を控えて、週20万㌔㍑ペースで積み増しされるのも珍しくないこの1ヵ月間の在庫積み増しは、今年はわずか35万㌔㍑。原油高という原材料の価格高騰要因も影響しているのだろうが、最大の理由は連産されてしまうガソリンの制約があるように推察される。灯油とは対照的に、この時期としてはガソリン在庫は過去9年間で最多にあり、精製元売の採算性を毀損させる懸念が強い。一気呵成に灯油の在庫積み増しには動きにくい需給構造にある。このように理解すべき外観だ。
 恐らくシーズン序盤戦は、強気の卸価格が通りやすい環境となるだろう。それに反して、小売の採算性は著しく毀損されている。前年のこの時期の原油見合い、卸見合いで、小売の採算性が大きく悪化している外観がある。まだ実需が伴わないいまのうちに、その採算性を再検証すべきである。
 さらに、灯油の売り方、灯油に対する取り組み方に、前年よりも少しだけ工夫を凝らしてみよう。そうした企業努力を積み重ねることで、確実にお客様、個別の家庭世帯に近づいていける。
 もう長く配達灯油を試みていないSSが、久しぶりに配達に再チャレンジしてみる。昨シーズンの劣化した灯油を回収する。シーズン前の石油暖房機器チェック・メンテナンスを請け負う。こうしたチャレンジが水素エネルギーの社会に近づいていける道になる。老朽地下タンク対策を施し、地域エネルギーインフラとして踏み出す決意を固めたのならば、なおさら力を入れるべき領域、それが灯油だ。
 全石連は石油連盟、石油機器工業会と一体となって、今季も灯油復権を期して「ほかほかキャンペーン」に協賛する。「ぜんせき」では10月1日号にSS店頭PRポスターを提供する予定だ。

提供元:全国石油商業組合連合会
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