日刊ニュース

2012.10.04 のニュース

「石油販売業」を続けるために

エネ庁統計の8月ガソリン販売量は前年比0・2%減。天候的には沖縄・奄美を除いて全国的にかなり高く、観測154地点のうち平年より低かったのはわずか8地点、2度以上の高温が16地点、北日本は1961年以降で最高の1・4度高だった。また降水量は102地点で平年を下回り、東北や関東では平年比2割以下が18地点あった。
 SS現場からは「8月は暑くてガソリンの売れ行きはまずまず」との見方が多いと感じていたが、結果的には微減。NEXCO東日本管内の高速SS販売量も0・5%減だった。一方、8月の卸価格は大幅値上げが続いていたが、その転嫁が追いつかないうちに市況軟化局面に転じてしまった。今夏を通したガソリン販売量は6月2・7%減、7月1・5%減。9月も残暑が去ったあとは不振と伝えられ、とても厳しい状況だ。
 これからのSS経営は、ガソリン減販を織り込んで収益確保を考慮しなければならない。「何年もそうやってきた」方々が大勢なのは十分承知している。あえて言及したかったのは、量販店を含めて、ということ。量販店間の需要争奪戦が過当競争を招き、地域社会に必要とされる一般SSの存続までも脅かし、その余波を周辺市場に広げていくことが目に見えているし、量販店も激しく消耗するだろうから。いくら下げても利益が出るのだとすれば、背後の“からくり”が色濃く疑われる。
 今年度もはや後半戦。気温10度強に近づけば暖房前線が発生し、徐々に南下が始まる。ガソリン市場とは異なり、灯油市場は同業者間とは別の次元でエネルギー間競争が激しく、近年は雪国を中心に石油業界と機器メーカーが連携してニーズづくりの取り組みを強化している。石油暖房機器の今冬需要予測は、ストーブ人気で3割増・590万台を記録した昨シーズンより50万台減の540万台程度と見込まれているが、05年度並みの高水準だ。全石連、石連、機器工業会は今年も「灯油でほかほかキャンペーン2012」と銘打ち、利用メリットを訴求する。
 来店頻度が減る中、ガソリン以外でいかに消費者との接点を維持するか。関東以西の大都市部を含め、石油機器が利用されているうちに、灯油暖房の“ほかほか感”を伝え続け、体感者を増やすことも重要ではないか。石油販売業として、灯油や周辺機器類販売の可能性をもう一度検討してみよう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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