日刊ニュース

2012.11.01 のニュース

G車ユーザーを軽視しないで

ガソリンや軽油の利用を過剰に悪者扱いするような政策へと行き過ぎてはいまいか。一般財源化によってすでに課税根拠を喪失したガソリンリットル25・1円分などの旧暫定税率が「国・地方の財政事情が非常に厳しいことや、地球温暖化対策の観点も踏まえて」とする理由で維持されたまま、先月からは石油石炭税への上乗せ環境課税が始まった。
 経済低迷、若者のクルマ離れ、高齢化社会の進展など、カーライフ環境が厳しさを増す中で、最もリーズナブルなガソリン車に乗りにくい状況を意図的につくり、グリーン成長を高々と謳う。車体課税軽減に伴う財源不足を走行段階の課税強化で補おうとする機運もある。結果的に弱者への風当たりを強めるような風潮はいただけない。
 多くの石油販売業者が、貸し倒れリスクを負って1SS平均1億円超もの徴税責務を果たしつつ、過重な石油諸税の軽減、タックス・オン・タックスの即時解消を求め続けてきた。それでも、改善に向けた検討が真剣に行われたようには見えない。そうこうするうち、EV普及促進の財源に充当されるようなことには、強い違和感を禁じ得ない。一時頻繁に流れた日産リーフのCMに対しては、補助金を差し引いても300万円程度と高価な導入コストをあいまいにして、さっさとガソリン車からEVに乗り換える映像に、神経を逆なでされたという声が続出した。
 とはいえ、自動車メーカーは低燃費ガソリン車、クリーンディーゼル、HV、PHV、EV、FCVとパワートレーン多様化も見据える。PHVでは来年初めにEV走行距離55㌔以上を目標とする三菱SUVが市場投入され、ホンダも続く予定だ。今年度上期の販売はリーフが5500台でEVのほぼ全数を占めたが、プリウスPHVも5300台とほぼ同水準にあって、マスコミが伝えるほどにはEV人気に火がついていない。近距離用途に適した超小型EVコミューターの動向も注目されているが、交通流や安全の妨げになっては本末転倒となろう。
 そもそも、発電オン・オフの柔軟性がない原発が産む余剰電力を有効活用するとの理由もあって、夜間電力という優遇料金制度の利用が推奨されていたのではなかったか。エネルギーを安定供給するために、我々はたゆみない努力を惜しまない。国家・国民にとっての最優先課題はなになのかを、もう一度問いたい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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