2013.01.09 のニュース
円安急進でコスト増 業者、仕切値上げ続き対応苦慮
為替が円安に転じており、コスト高となってきた。昨年10月の平均が80円/ドル、11月平均は82円/ドル、12月上旬は82円/ドルで推移していたが、安倍政権の誕
生を機に円安が急進、足元は87円~88円となっている。安倍政権のデフレ脱却、金融緩和策、大型補正予算の編成などの景気対策の打ち出しを先取りして株価も上昇している。日経平均は1万円台を乗せ、為替は円安となっている。円安は輸出産業には追い風となり、
景気回復に好材料となる。
一方、石油などの輸入産業はコスト高となる。仕切価格の値上げが続きコスト増による転嫁問題が発生し ている。原油価格もWTIは92ドル~93ドル/バーレル、ブレントも110ドル台と値上がりしている。
12月の平均仕切価格はガソリンが2円40銭~2円50銭/L、灯油は5円50銭
~5円80銭の値上がりをみせており、今後も円安による値上げが実施となる。これまでの仕切価格の値上げは、主に原油価格の高騰が要因となっていたため、ユーザーに理解を求めることができるが、為替の円安でのコスト増による値上げとなると、理解を得るのが難しい面があり、販売業者は対応に苦慮している。円安による値上げとなると、ユーザーからは企業努力で吸収すべきとの反発が出る。
円安によって輸出が伸びて景気が回復すれば、石油製品の販売が拡大する好材料となるが、石油業界としてはコスト増を即転嫁という問題が発生するため痛し疼しの問題となる。石油製品が大幅に値上がりすると、減販となるとの懸念は残る。