日刊ニュース

2013.01.10 のニュース

為替円安でコスト増に ユーザー転嫁に苦慮するも ~業績回復には好材料~

 原油価格は小幅な値上がりとなっているが、円安が進行しており、仕切価格は円安によるコスト増で値上げとなっている。これまでは原油価格の値上がりによる仕切価格の値上げであったため、ユーザーに対しても説明がつき、了解を得ることができた。
 しかし、円安による仕切価格の値上げとなると、ユーザー転嫁が難しく、販売業者は対応に苦慮している。原油価格の値上がりはマスコミのニュースに取り上げられるため、ユーザーにも認知され、理解を得やすい。しかし、為替の変動となると、円安が伝えられても、ガソリンなど石油製品の値上がりに影響することを理解されることは難しい。むしろ企業努力で負担すべきとの反発がでる。
 販売業者も、円安による仕切価格の値上げは理解するものの、ユーザーの説得となると腰が引けるケースが多い。円高によって輸出産業が厳しい状況にあることは伝えられているが、国内の物価に影響がなく、一般ユーザーは為替変動には無関心である。円安が進行
すれば輸出品が値上がりすることで影響がでるが、これまでが円高で推移しており、円不況で円高対策が打ち出されていたため、円安は馴染まない。
 安倍政権によってデフレからの脱却、金融緩和、経済再生が打ち出され、株価の上昇、円安進行、補正予算は13兆円の規模となり、景気回復が見込まれる新年となっている。石油業界としでは、景気回復による石油製品の増販が期待されている。円安によるコスト増の転嫁という課題は残るが、1月~3月で業績回復のチャンスとなる。上期の前半では原油価格の下落で業績が悪化したが、下期の後半で、景気対策が追い風となり、業績回復が期待されている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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