2013.01.17 のニュース
「和」による「石油の底力」
本号記事中に見つかる業界の対照的なキーワード。「和」と「独善」。
「和」とは辞書によると、①仲よくすること。互いに相手を大切にし、協力し合う関係にあること②仲直りすること。争いをやめること③調和のとれていること|と記されている。元売トップ企業のJXの会長であり、元売業界団体の石油連盟会長も務める木村氏が発する「和」に多くの共感を覚える。
都道府県石油組合と石連の共同による地方自治体への石油機器の導入要請活動は、12年はこれまでに11道県の56市町村に達した。2県5市町村だった11年度と比べて10倍以上の「和」の行動の足跡が残されている。訪問先の自治体から、石油機器導入に係る前向きの意向が示されたり、災害時の石油供給を確保する観点から自治体への石油納入を地元組合との随意契約とする意向が示されたりしているという。
なにより、自治体当局に石油への正しい理解が促進され、緊急時を含む石油の安定供給対応体制整備に対する理解が促進されたことが大きい。さらに最大の成果は、地方の石油販売業者(団体)が有する地域密着ならではの「SSの力」と、安定供給と大企業ならではの安心感を有する「元売の力」が重なり合って、わかりやすく親近感のある「石油の力」を体現できたことだろう。その「和」が大きく広がっている。
「石油はあなたの力でありたい。ある時は、みんなが乗る自動車を動かす力に。ある時は、寒さにこごえた人をあたためるやさしい力に。ある時は、洋服やペットボトルに変身する魔法の力に。ある時は、保管・運搬できるエネルギーとして、緊急時の底力に。石油は、これからも、あなたのくらしになくてはならない、力でありたい」
これが12年度からの石連スローガン「石油の力」だ。これをJXエネの新年会の席上で、木村会長は930人の特約店代表に、自ら全文を読んで示した。連結売上11兆円を超える日本有数の企業トップから、系列会合の場で、業界人の「和」がメッセージとして発進されたからこそ、大きな価値がある。「和の力こそ、10年、20年先も業界が継続していくための力になると信じる。日本のエネルギーの未来のために、まずは我々が先頭に立って「和」を育み、業界の健全な発展をリードしてまいりましょう」と木村会長、そして関会長もあいさつを結んだ。