日刊ニュース

2013.02.13 のニュース

元売、ガソリンは減販 ―電力用C重油の増販で全体はプラスー

 元売各社(JXホールディングス、出光興産、コスモ石油)の4月~12月の決算が発表されたが、燃料油の国内販売は増販となっている。電力用C重油の原発停止による増販もあってぃ国内販売はJXHDが4404万KLで前年比で5・3%増、出光が19164万KLで5・1%増、コスモが1784万KLで0・3%増となっている。コスモは製油所の操業停止の影響もありC重油は増販となったが、他油種はマイナスとなった。
 ガソリンはJXが1455万KLで0・3%減、出光が653万KLで1・4%減、コスモは455万KLで3・7%減となっている。小幅な減販となったが、レギュラーに比
べると、ハイオクの減販が大きくなっている。レギュラーを使用する省燃費車が増加しており、ハイオク仕様車が減少しているためで、販売滅は今後も続く見通しである。
 ガソリン販売が増加したバブル時代には、各社ともハイオクの増販に力を入れキャンペーンを展開しており、SSもマージンが多いハイオクを増販することで利益を確保していたハイオク比率の向上がガソリンーキャンペーンの目玉策であり、当時のハイオク比率は20%を超えていたが足元は13%程度に落ち込んでいる。販売価格は、ハイオクがレギュラーに比べて10円高の価格体系を維持しており、販売業者からみればメリットがある商品である。だが、増販が期待できず、SS経営を厳しくする要因となっている。かつては都心部のSSにおいてハイオク比率が高く、洗車、オイルなどの油外収益も多く貝込まれたためSS経営が安定していた。しかし、現在では顧客の志向も変化しており、セルフSSが増加、低マージンで増販を狙う商法が主流となってきた。フルサービスSSを見直し、高付加価値販売でハイオク増販を狙う方策もあるようだが、これには景気回復など時代の流れを待つことが必要となる。
 一方、C重油は大幅な増販となった。JXは26%増、出光は31%増、コスモは33%増となっている。その要因は原発の稼働停止によるもので、電力用でみるとJXが566万KLで43%増、コスモが151万KLで91%の大幅増となっている。また、一般用は不況と燃料転換の進行でマイナスが続いている。電力用の販売増が今後も続くか否かは原発の再稼働の動向にかかってくる。直ちに再稼働は難しいが、今後、原発政策が議論されるなかで再稼働の方針が打ち出されることも予想されるため、石油業界としては難しい立場にある。原発の代替エネルギーとして石油を供給しているが「平時からも一定の需要を確保すべきであり、そうでなければ安定供給は保証できない」と業界では要望している。
 原発が再稼働となれば、現在稼働している石油火力を減らすことになるため、燃料油販売への影響が大きく、今後の情勢に警戒する必要がある。全国で原発が稼働停止しているが、これを機に、石油、石油火力の位置付けを明確にすべきである。
 その他の油種をみると、軽油販売は2%~3%の小幅な増加となっている。これは復興需要に支えられているものだが、景気が回復して物流が活発化しなければ、本格的に増販
とはならない。A重油はマイナスが続く。灯油は天候次第であるが、今冬は厳寒だったため増販となった。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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