日刊ニュース

2013.02.14 のニュース

完全転嫁に全精力を注ごう

一昨年が週平均110・2万KLあった。昨年は106・5万KLに減少した。今年は99・7万KLと大台を割り込んだ。一昨年比で9・6%減、前年比では6・4%減というのが12月から2月上旬までの10週間のガソリン出荷量だ。年52週計算で年換算すると、一昨年は5732万KL、昨年は5538万KLとなるが、それが今年は5183万KLとなるから、年末年始商戦を含めたガソリン内需の近況の厳しさが、より鮮明に見えてくる。
 これほどまでに大きく厳しい退潮局面に直面しているのだから、ガソリンが売れない、という商状は、あなただけではない。量販SSや、より広域に展開し多くのSS網を有する事業者ほど、この退潮の影響を強く受けるだろうし、ましてや、それらがすべて集約される元売が、ガソリン内需の厳しい現状から逃れる術はない。そうした国内市場で、数量を維持しようとすれば、必然的に粗利を損なうことは自明の理である。粗利を毀損せずに、より多くを売ろうとすることは不可能なのだ。数量至上主義を小売市場に押し付ければ、それは大きな代償を伴うことになる。大きな代償とは、出血による経営危機を指す。
 まず身の丈に合った数量で、元売は自らの採算をコントロールすべきだろう。ここまで縮んでいる国内市場で、普通に製造すれば、卸市場での業転下落を招き、それは系列外に利する反作用を伴う。系列SSに対して百害を撒き散らす結果を招く。ガソリン小売粗利の低落を全国の主要市場に撒き散らすことと同義である子会社SSへの量販圧力。元売はそれをかけることも慎んでほしい。
 ただでさえ、販売不振で苦境に立つSSにとって、さらなる買い控えが懸念されるガソリン値上げは、最も避けて通りたい判断だ。原油高と円安による避けられない卸高であるから、SSは値上げに動く。ところが毎週水曜日に小売市況を下押し、もしくは仕切り高に準じた値上げ意欲を大いに萎えさせるアナウンスが、ここのところ連続している。その週末には大幅値上げが待機しているにもかかわらず。恐らく機械的に弾き出されているのだろうが、その際に元売は、小売の値上げを阻害する可能性を汲み取ってほしい。
 危機的な採算割れにある現状から脱する術は、転嫁不足を一掃することに尽きる。石油の全精力をそのために注ぐべき時勢だ。

提供元:全国石油商業組合連合会
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