日刊ニュース

2013.02.25 のニュース

期中通知は停止すべきだ

これはもう、制度疲労を起こしている。そう断じざるを得ない。現行の週決め仕切りのことだ。制度の根幹を成す情報自体が、「レス」と表現される底割れが頻発しているという。実勢よりも割高にアナウンスされる価格情報に系列コストが乗じられ、系列SSの比較劣位が拡大する。しかも値下げしかアナウンスされない期中での変動は、系列SSの粗利を低下させる機能しか見出せない。
 さすがに5週連続でその気を挫かれると、気が滅入る。
 大きな力を有する側から、大きな値上げを通告され、7千万人ドライバーと向き合う小売市場で、長年の馴染みのお客様から「高過ぎる」、「連続に次ぐ連続はひどい」という非難めいた耳に痛い類の言葉を聞きながら、それでも1円、2円、3円と小刻みな積み上げを行わざるを得ない非力な事業者。それが地域の系列SSだ。
 今週末から、ますます困難な局面がSSを見舞う。昨日までの原油コストが示すシグナルは、円安が一服し、それに連動した製品市況はガソリンはほぼ横ばい、灯油は小幅下げが予見される。ところがもう一つの卸価格の変動要因は、全油種で下げシグナルが灯る。需給の緩みが激しいのだ。
 製品市況が著しい海外高・国内安にあるから、ほぼ現状の内需は国産で満たされている。それでも元売出荷量は、ガソリンは1月が前年比4%減、そして2月は13%減、灯油も1月が3%減、2月は14%減と不振を極めている。恐らく元売の想定以上に、内需の縮小が素早く、しかも大きいという概況が出現している。
 系列SSは、連続値上がりの起点となる11月下旬から、ガソリンは卸12円強の値上がりに対して、小売は消費税込み9・7円平均、税別では9・2円上昇にとどまり、卸見合いでまだ3円前後の転嫁不足を抱える。値上がり幅が7円に満たない県もあり、そうした地域のSSは、まだようやく五合目にたどり着いたに過ぎない。卸の値上がりが停滞しても、需給に絡んだ軟化不安や、なにより売れないという事実が、値上げに注ぐべきエネルギーを大きく削ぐ。
 せめて元売は、毎週水曜日に、すでに疲労困憊してしまっている系列SSに、さらに冷水を浴びせる期中アナウンスを慎むべきだ。なんとしても系列SSを守るためには、極々たやすいことではないか。

提供元:全国石油商業組合連合会
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